緊張型頭痛を、やさしく解説 ― なぜ頭は「ぎゅっ」と締めつけられるのか― 足柄上郡 開成町の鍼灸・マッサージ|快晴鍼灸院(開成駅 西口 徒歩4分)
後頭部が「ぎゅっ」と締めつけられるように重い。夕方になると、頭に帯を巻かれたようにつらくなる ― そんな緊張型頭痛に、長く向き合ってきました。
まず確かめる ― あなたの頭痛は「締めつけ型」ですか
むずかしい説明の前に、まずご自身の頭痛を確かめてみてください。次の4つのうち、思い当たるものはありますか。
一方、ズキンズキンと脈打つ/吐き気がある/光や音がつらいという場合は片頭痛かもしれません。当院は片頭痛には対応していませんので、こちらをお読みのうえ、医療機関へお願いします。
なぜ「もんでも戻る」のか
逆に言えば、帽子そのものに触れずに頭だけをさすっても、締めつけは変わりません。鎮痛薬でその場をしのいでも同じ頭痛が戻ってくるのは、締めている当のものが残っているからです。
では、その「見えない帽子」の正体はどの筋肉なのか ―― 頭痛の出る場所から原因の筋肉を逆算する早見表は、このページ後半の頭痛の引き金は、首の奥にあるにまとめています。読まなくても、ご相談・ご予約に支障はありません。
くわしく:「緊張型頭痛」という名前と、似た呼び名の整理
緊張型頭痛(かつては筋緊張性頭痛・筋収縮性頭痛とも呼ばれましたが、現在の国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)日本語版での正式名称は「緊張型頭痛」です)は、デスクワークや不良姿勢、ストレスなどで首〜肩の筋緊張が続き、後頭下筋群(大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋)や頸部筋にトリガーポイントが生じることで起こると考えられます。これらは筋・筋膜性疼痛(MPS)の枠組みで説明されます。
よくある呼び方(探しやすいキーワード):肩こり頭痛/首筋の張り頭痛/肩こりからくる頭痛/ストレートネックの頭痛/緊張性頭痛/頭重感 ― いずれも筋の緊張が関与する筋・筋膜性の緊張型頭痛の一種です。なお「緊張性頭痛」「筋収縮性頭痛」は古い呼び方です。
また、首(主に上位頸椎)の障害という原因が別にある場合は、一次性頭痛である緊張型頭痛ではなく頸原性頭痛(ICHD-3 11.2.1)という二次性頭痛に分類されます。両者は重なることがあり、症状の印象だけで分けることはできません。呼び名の違いと、それぞれを誰がどう確かめるのかは首から起こる頭痛の整理にまとめました。
緊張型頭痛の代表的な症状と、悪化させる要因
代表的な自覚症状
- 後頭部〜首の付け根が締め付けられる/重だるい
脈打つような痛みではなく、両側の圧迫感が中心。長時間同じ姿勢で強まりやすい。 - 「頭が重い」感覚が一日中つづく/朝からつらい
睡眠中の姿勢・枕・ストレスの影響を受けやすい。 - 肩こり・首筋の張りが慢性的
後頭下筋群の張りつめた状態やトリガーポイントが頭痛に波及しやすい。首そのもののつらさが強い方は首筋の張り・首の痛みのページへ。首を動かすと決まって頭痛が出る、痛む側がいつも同じという方は頸原性頭痛との違いもあわせてご覧ください。 - 集中しづらい「もわ〜」とした頭痛
ズキズキではなく締め付け・鈍い痛みが主体。「もわーん」という訴えの整理は頭痛の表現と相談先の目安へ。 - 目の奥・額・こめかみに響く
首の緊張が前のほうへ関連痛として広がることがある。 - デスクワーク後に悪化/首が前に出る(ストレートネック傾向)
頭が前に出た姿勢で後頭下筋群と首の骨の上のほう(C1–C2)まわりに負担が集中。 - 食いしばり・顎関節症がある
かむ筋肉の緊張が側頭部〜首へ波及。 - 雨天や気圧の変化でつらい/ふわっとしためまい感
自律神経の変動が筋肉の緊張や痛みの感じやすさに影響。 - 横になる・適度に動くと楽
姿勢を変えたり軽く動いたりすると血のめぐりが整い、楽になることがある。 - 締め付ける帽子・眼鏡で悪化
外からの圧迫が筋膜の緊張を強めます。
よくある誘因・悪化要因
- 長時間の同じ姿勢(PC・スマホ/頭が前に出た姿勢)
- ストレス・睡眠の質の低下(寝つきの悪さ・夜中に目が覚める・歯ぎしり)
- 運動不足・冷え・水分不足
- 合わない枕・椅子・モニターの高さ、強い締め付け
ストレスと緊張型頭痛
- 心理的ストレス → 筋肉の緊張が高まる → 頭痛という連鎖が起こりやすくなります。
- 事業所ではストレスチェック制度(労働安全衛生法)により、職場のストレスの把握と早めの対応が推奨されています。
- 深い呼吸・短時間の歩行・休息の設計・作業量の見直しは、くり返しを減らすうえで役立ちます。
この症状があるときは、施術より先に医療機関へ
次のような場合は、鍼灸やマッサージに向かう前に、医療機関での確認をお願いしています。
医師の診断がある方へ ― 併用について
すでに医療機関で診断を受けている方は、鍼灸・手技療法・運動療法を併用していただけます(医師から制限がある場合は、その指示を最優先してください)。 改善が乏しい/長期化する場合も、医療機関での見分けと専門的なケア(理学療法・鍼灸・手技療法)の併用をご検討ください。
当院が対応できる頭痛・できない頭痛 ― 片頭痛について
緊張型頭痛と片頭痛の違い:緊張型頭痛は筋・筋膜性疼痛が原因で起こることが多く、当院が対象としている領域です。一方、片頭痛は血管の広がりに関連する頭痛で、原因も対処の仕方も異なります。
脈打つ型(片頭痛):ズキンズキンと脈に合わせて痛む/片側のことが多い/吐き気をともなう/光や音がつらい/動くと悪化する
※ これは相談先を考えるための目安であり、見分けそのものは医療機関の役割です。両方が混ざるタイプもあります。
※「片頭痛」は日本頭痛学会・国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)日本語版で用いられる正式な病名です。日常では「偏頭痛」とも書かれますが、本サイトでは正式表記の「片頭痛」に統一しています。
混同されやすい点:片頭痛と緊張型頭痛は、体に起きていることがまったく異なります。頭痛外来や医師の診察を受けずに、自己判断で混同されているケースが少なくありません。両者が混ざるタイプもありますが、まずは何が起きているのかの見分けが大切です。
くわしく:自律神経の側からのアプローチについて
自律神経の乱れの側からアプローチすることで、片頭痛の症状がやわらぐ場合もありますが、こりがゆるむことによる血のめぐりの変化で、一時的に症状が強まることも想定されます。この点も含めて、初回にご相談のうえ判断します。
今日からできる、無理のないセルフケア
医学的に無理がなく、ご自身で続けられる範囲のものだけを挙げます。
首そのものへのセルフケア(軽く動かす運動・枕の高さの見直しなど)は、首筋の張りのページにまとめています。
当院で行うこと ― 緊張型頭痛へのアプローチ
肩こりからくる頭痛・緊張型頭痛は、何が起きているのかを見極めることが最初の一歩です。 主な要因のひとつが頭と首のトリガーポイント ― 後頭部・首の付け根にある奥のほうの筋肉(インナーマッスル)に生じたこりの塊で、首の痛みだけでなく頭痛や歯への関連痛も引き起こします。 当院ではまずどの層に硬さがあるかを手で確かめ、頭痛の出ている場所と筋肉の対応を照らし合わせたうえで、施術を組み立てます(首筋の張り側からみた施術の考え方)。
当院の3つの方針
筋・筋膜性疼痛(MPS)を主対象に
首筋の張り・肩こり由来の頭痛を主な対象として、頭痛の出る場所と筋肉の状態を照らし合わせて評価します。
国家資格保持・臨床32年
頭痛の引き金となる首の奥の筋肉まで、安全に配慮した手技と鍼で対応します。
その場しのぎで終わらせない
薬でその場をしのぐのではなく、頭痛の出る頻度そのものを下げていくことを目標に置きます。
組み合わせる施術方法
- 鍼灸施術 ― 後頭下筋群など、手技では届きにくい深い層へ
- 奥の筋肉(インナーマッスル)へ届くマッサージ
- 指圧療法 ― 圧の方向と持続時間を、層に合わせて調整
- 指圧整体・インナーマッスルストレッチ
- 姿勢の改善に寄与する背骨へのはたらきかけ
これらを組み合わせ、痛みの発生源へ必要な深さと量で刺激を届け、段階的に対応していきます。
通っていただくと、どんな変化が期待できるか
締めつけられる頭痛・後頭下筋群のトリガーポイント・ストレートネック由来の頭の重さに対し、
臨床32年の国家資格者が、筋肉とその膜のしこりという視点からていねいに対応します。
※ 変化の現れ方には個人差があります。効果を保証するものではありません。
☀️ 朝の頭の重さ・締めつけ感がやわらぐ
後頭部の「ぎゅっ」とした圧迫感、こめかみの締め付け、夕方に強まる頭の重さ ―― 緊張型頭痛に典型的なサインに、後頭下筋群と首の筋肉をゆるめることで対応します。
🎯 後頭下筋群へ届くトリガーポイント鍼灸
肩こり頭痛・緊張型頭痛の引き金となる後頭下筋群(大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋)は奥にあり、表面のマッサージでは到達しにくい場所です。臨床32年のていねいな鍼で、痛みの発生源へ直接はたらきかけます(この筋肉の詳しい解説)。
💆 頭痛・首筋の張り・肩こりをまとめて
緊張型頭痛は単独では起こりにくく、後頭部・首・肩・肩甲骨まわりの筋肉の緊張と連動しています。当院ではこれらを一連の流れとして同時に整え、戻りにくい状態を目指します(首そのもののつらさは首筋の張りのページ)。
📱 夕方に強まる頭の重さへ、姿勢から
「午前中は平気なのに、夕方から頭が重い」― これは頭が前に出た姿勢で首の負担が積み上がるパターンです。作業環境と休息の設計まで含めて、頭痛が出はじめる時間帯そのものを後ろへずらすことを目指します(ストレートネックの解説)。
💊 鎮痛薬に頼りきりの日常から、一歩
市販の鎮痛薬を週に何度も使う「薬物乱用頭痛」のリスクに気づいた方、できれば薬を減らしたい方への補完的な選択肢として。医療機関の治療と競合せず、筋・筋膜への直接のアプローチで土台を整えます。
ここから先は、もっとくわしく知りたい方へ
ここまでで、ご相談・ご予約に必要なことはひととおりお伝えしました。
この先は、どの筋肉が頭痛を起こしているのか、研究では何が報告されているのか、お薬とどう付き合うかを掘り下げます。読まなくても支障はありません。気になる見出しだけ拾い読みしていただくのがおすすめです。
頭痛の引き金は、首の奥にある ― 場所から原因の筋肉を逆算する
ひとことで言うと:痛むのは頭でも、直すべき場所は首の奥です。頭痛がどこに出るかで、関わっている筋肉のおおよその見当がつきます ― 下の早見表がその手がかりです。
緊張型頭痛のつらさは頭で感じますが、その引き金は、うなじの奥にある小さな筋肉にあることがほとんどです。 これらの筋肉にトリガーポイント(筋肉の「しこり」=痛みの引き金)ができると、そこから離れた頭・こめかみ・目の奥にまで痛みが飛んでいきます。
頭痛の場所から、原因の筋肉を逆算する
ご自身の頭痛がどこに出るかで、関わっている筋肉のおおよその見当をつけることができます。
| 頭痛の出る場所 | 引き金になりやすい首の筋肉 | 詳しい解説 |
|---|---|---|
| 後頭部 → 側頭部 → 目の周囲・額 帯を巻かれたような締めつけ感 |
後頭下筋群 大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋 |
後頭下筋群の解説 → |
| 目の奥が重く痛む 眼精疲労と紛らわしい |
頭半棘筋 | 頭半棘筋の解説 → |
| 頭頂部に重しが乗ったような頭の重さ | 頭板状筋 | 頭板状筋の解説 → |
| こめかみ・耳のまわり ふわっとしためまい感を伴うことも |
胸鎖乳突筋 ストレートネックで緊張しやすい |
胸鎖乳突筋の解説 → |
参考文献:『トリガーポイント・マニュアル 筋膜痛と機能障害』第1巻 頭頸部編 / Janet G. Travell, David G. Simons 著・川原群大 監訳
「ズキン」と走る鋭い痛みは、別の経路かもしれません
ここまでは「ぎゅっと締めつけられ続ける」タイプの痛み ― つまり筋肉の関連痛としての緊張型頭痛の話です。 これに対して、急に振り向いたとき/髪をとかしたときに、後頭部から頭頂部へ電気が走るような鋭い痛みが出る場合は、 首の筋肉が神経そのものを締めつけている(大後頭神経痛)可能性があります。持続せず、一瞬で走り抜けるのが特徴です。
鍼灸は頭痛に効くのか ― 研究で報告されている内容
ひとことで言うと:世界中の研究を集めて公平に採点し直した報告(コクラン・レビュー)は、「6回以上きちんと続ければ、鍼はくり返す緊張型頭痛に試す価値のある選択肢になり得る」としています。ただし、当院の施術成果を保証するものではありません。
「鍼灸は緊張型頭痛に、どれくらい役立つの?」― この素朴な疑問に、世界中の研究をひとつに集めて公平に採点し直した、信頼性の高い報告があります。
その採点機関が、緊張型頭痛と鍼について出した結論は、とてもシンプルです ―
「6回以上きちんと続ければ、鍼は、くり返す緊張型頭痛に悩む人にとって"試す価値のある選択肢"になり得る」。
かみくだくと、ふだんのケアに鍼を加えた人たちでは「頭痛の回数が半分以下に減った人」がはっきり増え、しかもその変化は施術が終わって半年後も残っていた、という報告です。
くわしく:研究の規模と実際の数字(出典データ/1分ほど)
2016年に更新されたコクランレビューは、成人2,349名を対象とした12件のランダム化比較試験(くじ引きのように公平にグループ分けして比べる、信頼性の高い試験方式)を統合解析したものです。緊張型頭痛の予防に対する鍼施術について、次のように報告されています。
- 通常ケアへの上乗せ効果:鍼施術を加えたグループでは100人中およそ48人で頭痛の頻度が半分以下に減少し、通常ケアのみのグループ(100人中およそ17人)を大きく上回りました。
- 「偽の鍼」との比較:本物の鍼では100人中52人、偽鍼では100人中43人で頭痛頻度が半減し、施術から6か月後も効果が持続していたと報告されています。
- 安全性:本物の鍼と偽鍼とで、副作用による中止に差は認められませんでした。
※「偽の鍼(シャム鍼)」とは、効果がないように工夫した見せかけの鍼のこと。本物と比べることで、思い込み(プラセボ)以上の効果があるかを確かめます。
参照論文(学術文献への発リンク):
Linde K, Allais G, Brinkhaus B, Fei Y, Mehring M, Shin B-C, Vickers A, White AR.
「Acupuncture for the prevention of tension-type headache(緊張型頭痛の予防のための鍼治療)」
Cochrane Database of Systematic Reviews 2016, Issue 4. Art. No.: CD007587.
脳科学が見た緊張型頭痛の「正体」
ひとことで言うと:「気のせい」ではありません。2025年の脳科学の研究で、緊張型頭痛の方の脳では感覚を受け取る領域と痛みを処理する領域のつながりが増えていること、そしてその変化が大きい人ほど生活のつらさも大きかったことが報告されました。
「気のせい」「ただのストレスでしょう」と言われ、つらさを十分に理解してもらえない ― 緊張型頭痛に長く悩んでこられた方ほど、そんな思いをされた経験があるかもしれません。 しかし近年の脳科学は、緊張型頭痛が脳のはたらきに実際の変化を伴う、れっきとした神経学的な状態であることを明らかにしつつあります。
さらに見逃せないのは、この回線の"混み具合"が大きい人ほど、頭痛で生活がつらいと感じていたこと。脳のなかの変化の大きさと、ご本人が実際に感じるつらさが、きちんと一致していたのです。
この成果は、緊張型頭痛のつらさが決して「気のせい」ではないことを、客観的なデータで裏づけるものといえます。 頭痛が首や肩の筋肉の問題にとどまらず、痛みの感じ方そのものの変化(中枢性感作)とも関わり得るという視点は、筋・筋膜と神経の両面から刺激量を見極めるという考え方とも重なります。
くわしく:研究の中身(脳磁図MEG・対象・専門用語/2分ほど)
2025年10月、頭痛専門の国際学術誌Cephalalgiaに発表された研究では、脳の活動を高い精度でとらえる脳磁図(MEG=頭の外から、脳の神経細胞が出すごく微弱な磁気をとらえる装置)とネットワーク理論(脳の領域どうしのつながりを"地図"として解析する手法/グラフ解析)を組み合わせ、緊張型頭痛の患者さん27名と、年齢・性別をそろえた健康な方37名の安静時の脳内ネットワークが比較されました。
- 脳内の「つながり方」に違い:緊張型頭痛の方では、脳の領域どうしの機能的な結びつき(機能的結合)が広い周波数帯で増加していました。とくに感覚・運動をつかさどる領域と、痛みの処理に関わる島皮質・前頭弁蓋部などの結合に変化が見られました(これが、たとえ話の「混み合った回線」にあたります)。
- 「つらさ」の程度と相関:後方の領域(側頭‐後頭‐頭頂部)と視覚野の結合の強さは、頭痛が生活へ与える影響度を測る指標(HIT‑6)と相関していました。つまり脳の変化の大きさと、ご本人が感じるつらさがつながっていたのです。
- 痛みと認知の回路に集中:これらの変化は、痛みの処理や注意・認知のコントロールに関わる脳の領域に集中して認められました。
参照論文:
Xiong Z, Qiu D, Liang J, Li X, Guo Z, Zhang M, Liu G, Gao T, Wang Y.
「Disrupted functional network topology in tension-type headache: A cross-sectional magnetoencephalography study(緊張型頭痛における機能的ネットワークの破綻)」
Cephalalgia 2025;45(10):3331024251386425.(オープンアクセス)
頭痛とお薬の話
ひとことで言うと:「頭痛薬の最大の副作用は頭痛」と言われます。錠数ではなく「月に何日使ったか」を数えてください。月10日を超える状態が続くなら、薬そのものが頭痛を呼んでいる可能性があります。
ここでは、薬物乱用頭痛・向精神薬・筋弛緩薬・コーヒー(カフェイン)・耳鼻咽喉科で扱う頭痛を、当院の臨床の視点から整理します。
薬物乱用頭痛とその予備群
「頭痛薬の最大の副作用は頭痛」 ― 頭痛薬の使いすぎが、逆に頭痛を引き起こすことがあります。これを薬物乱用頭痛(MOH)と呼びます。国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)日本語版での正式名称は「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)」です。 楽になりたい一心で、市販薬を用法を超えて服用してしまうケースは少なくありません。 「錠数」ではなく「月に何日使っているか」を数えて相談へつなげる手順は、頭痛の表現と相談先の目安(薬とカフェイン)にまとめています。
※ 本ページで「月10日」を目安としているのは、早めにご相談いただくための線引きです。ICHD-3の診断基準そのものは、頭痛が月15日以上あり、かつ原因となる薬の使用が3か月を超えて続くこと(薬の種類により月10日以上、または月15日以上)とされています。診断は医師が行います。
薬による治療が第一選択となる頭痛もありますが、緊張型頭痛に対しては、運動・マッサージ・鍼灸・認知行動療法など、薬物乱用頭痛にならない手段が多数存在します。 当院の指圧・マッサージ・鍼灸の施術は、これらの頭痛を未然に防ぐ一助になり得ると考えています。
向精神薬と緊張型頭痛
くわしく:エチゾラム(抗不安薬)と規制強化の経緯
現在もエチゾラムが緊張型頭痛に処方されることはありますが、依存性のリスクがあるため、医師の指導の下で慎重に用いるべき薬です。自己判断での使用は絶対に避けてください。
筋弛緩薬と緊張型頭痛
医療機関で緊張型頭痛や重い肩こりと診断されると、NSAIDs・筋弛緩薬・抗不安薬・貼り薬や塗り薬などが処方されることがあります。 当院としても、適切な薬による治療は必要と考えています。
くわしく:筋弛緩薬の効きどころと、副作用とのバランス
臨床の経験から、NSAIDsは重い緊張型頭痛の症状をやわらげるうえで役立ちます。一方で、長期の薬の使用に不安を感じるお客様も多くいらっしゃいます。 近年は緊張型頭痛・慢性頭痛にマッサージ・鍼灸・理学療法・認知行動療法などが推奨されつつあり、抗不安薬の処方は以前ほど多くは聞かなくなりました。
筋弛緩薬は多くの方に処方されていますが、眠気・だるさといった副作用が前面に出やすく、効果と副作用のバランスから自己判断で中止される方も少なくありません。 筋弛緩薬は寝違え(急に首が動かせなくなる状態)やぎっくり腰の直後のけいれん的な緊張をゆるめる方向に働きますが、長引いた時期には効きにくい場合があります。 種類によって作用・副作用が異なるため、医師・薬剤師にご相談のうえ選択することが重要です。
高騰する医療費を抑えるうえでも、本当に必要な症状への適切な投薬・減薬は重要な課題です。 当院では、鍼灸マッサージが薬による治療の届きにくい部分を東洋医学の観点から補えることを期待し、日々の施術にあたっています。
緊張型頭痛とコーヒー(カフェイン)
当院では、緊張型頭痛と片頭痛が混ざったタイプの方に対し、とくにコーヒーやアルコールと頭痛の関係を重視して施術方針を決めます。 コーヒーで頭痛が軽くなるのか悪化するのか、またマッサージによる血のめぐりの変化がよい方に働くのか逆なのか、を必ず確認します。
- カフェインの血管への作用:カフェインは血管を縮め、片頭痛の症状をやわらげる方向に働きます。市販の頭痛薬にも配合されますが、縮める作用は血のめぐりの低下も招き、緊張型頭痛では悪化要因にもなり得ます。
- やめたときの反動:使用を中止すると血管が急に広がり、カフェイン離脱頭痛として知られる反動の症状が出ることがあります。
- 自律神経(交感神経)への影響:カフェインは交感神経を刺激し、過敏になりやすさ・不眠・血管の反応の変化を起こすことがあります。
- 二面性:片頭痛には役立っても、とりすぎや、やめたときの症状、血のめぐりの低下による緊張型頭痛の悪化というリスクもあります。適量が重要です。
飲酒やコーヒーに敏感に反応される方は、マッサージによる血のめぐりの変化も受けやすい体質の場合があるため、当院では刺激量に細心の注意を払って施術にあたります。
耳鼻咽喉科での受診が必要となる頭痛
- 慢性副鼻腔炎:副鼻腔の炎症が長期化し、頭痛・鼻づまり・鼻水・においが分かりにくいなどが現れます。
- 鼻中隔弯曲症:鼻の仕切りが曲がることで、鼻づまりや頭痛が起こります。
- アレルギー性鼻炎:鼻の粘膜の炎症で頭痛・鼻づまり・くしゃみが現れます。
- 頭頸部がん:頭痛と並んで持続する違和感がある場合、早期の発見・治療が極めて重要です。
これらの症状に心当たりがある場合は、頭痛外来や耳鼻咽喉科での受診をお勧めします。
施術者の臨床ノート ― 首筋の張り32年の手応え
ここまでは解剖学と研究にもとづく解説でした。それとは別に、施術者・久保田が実際に指先で感じてきたことを書き留めた章を、対になる首筋の張りページに置いています。教科書には載らない、現場の一次的な記録です。
重い首筋の張りの方は、つらさをしばしばこう表現されます ―
「凝った部分をフォークでほじくりたい」
「スプーンか何かでひっかき出したい」
「いっそ頭をもぎ取りたい」
頭痛について、初めての方から最も多く向けられるのは医療への不信です。「薬をもらうだけだった」と。けれど私は、施術所の立場から投薬もまた必要な手立ての一つであることを、必ずお伝えするようにしています。ここを曖昧にしたまま「鍼で治ります」と言うことは、私にはできません。当院がお引き受けするのは、薬に取って代わる役ではなく、痛みの悪循環を別の側から断つ役です。
(風池穴の「響き」との出会い/指先で実際に起きていること/32年で見えてきた来院される方の傾向/「詰めて通えば完治するのでは」というご期待に、どうお答えしているか)
ご来院前のよくあるご質問 ― 症状の見分け方と当院の対応
初めてご検討くださる方から特に多くいただくご質問にお答えします。 ここに記載のないご質問は、お電話(0465-83-0380)でお気軽にお尋ねください。 相談受付時間:午前8時〜午前9時。
Q1. どのようなタイプの頭痛が「緊張型頭痛」に当てはまりますか?
主に、肩こり・首筋の張りが強く、後頭部〜首の付け根が「ぎゅっと締め付けられる」「重だるい」といった痛みが続くタイプです。 PC作業やスマホ姿勢、ストレス、運動不足で悪化しやすく、拍動性の痛みや強い吐き気を伴わないことが多いのが特徴です。 ご自身の頭痛の訴え方(もわーん・ズキズキ・締め付ける)や、マッサージ後・飲酒後・コーヒーとの関係から相談先を整理したい場合は、頭痛の表現と相談先の目安(6つの反応軸)もご覧ください。
Q2. 緊張型頭痛に対して、快晴鍼灸院では何をしてくれますか?
首〜肩周囲の筋・筋膜(後頭下筋群など)の緊張やトリガーポイントを評価し、 鍼灸・指圧・奥のほうの筋肉マッサージ・インナーマッスルストレッチなどを組み合わせて、首・肩の可動域を改善する施術を行います。 刺激量の匙加減を重視しながら、再発予防まで視野に入れたアプローチを行います。
Q3. 片頭痛があるのですが、通っても大丈夫ですか?
当院は筋・筋膜性疼痛に特化しており、血管性の片頭痛そのものへは対応しておりません。 拍動性の強い痛み・吐き気・光や音への過敏がある場合は、まず頭痛外来など医療機関での診断・施術を優先してください。 その上で、首筋の張り・肩こり由来の緊張型頭痛が併存する場合は、補助的なケアとして当院の施術をご検討いただく形になります。
Q4. どんな症状があると、すぐに医療機関を受診した方がいいですか?
「突然これまでで一番強い頭痛が出た」「ろれつが回らない・手足が動かしにくい」 「発熱と首の硬さを伴う」「頭部外傷のあとに頭痛が続く」などの症状は、緊急性の高い病気の可能性があります。 これらのサインがある場合は、鍼灸やマッサージに向かう前に必ず医療機関を受診してください。
Q5. 首筋の張りもひどいのですが、頭痛と一緒に診てもらえますか?
はい。緊張型頭痛と首筋の張りは多くの場合ひと続きの症状で、当院では同じ施術のなかで一連のものとして対応します。 ページを2つに分けているのは解説の都合であり、施術を分けているわけではありません。 首そのもののつらさ ― うなじの重さ、振り向きにくさ、押すと響く一点 ― について詳しく知りたい方は、 首筋の張り・首の痛みのページをご覧ください。 原因となる4つの筋肉の解剖図、大後頭神経痛、 施術者の臨床ノートを掲載しています。
Q6. 自分でできる対策はありますか?
30〜60分ごとの姿勢リセット、軽い首・肩の可動域運動、温めによる血行改善、睡眠リズムの見直し、 食いしばり・歯ぎしりへの歯科相談などは、医学的に無理のないセルフケアです。 それでも改善が乏しい場合は、医療機関での見分けと、当院を含む専門家のケアをご検討ください。くわしくは今日からできる、無理のないセルフケアにまとめています。
快晴鍼灸院は、筋・筋膜性疼痛に特化した鍼灸マッサージ院です。 デスクワークによる肩こり・腰痛、慢性的な疲労やストレスを背景とする緊張型頭痛を主な対象としています。
やさしい用語集 ― このページの言葉を、ひとことで
本文に出てくる専門的な言葉を、やさしく言い換えてまとめました。
- 緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)
- 後頭部やこめかみが「ぎゅっ」と締め付けられるように重く痛む、いちばん多いタイプの頭痛。
- トリガーポイント
- 筋肉の中にできる「しこり」。離れた場所(頭・目の奥など)に痛みを飛ばすことがあります。
- 首筋の張り(頸部痛・けいぶつう)
- うなじから首の付け根が重く張り、押すと響く一点ができている状態。緊張型頭痛の引き金になります(くわしくは専用ページで)。
- 後頭下筋群(こうとうかきんぐん)
- 頭と首の境目、奥のほうにある小さな筋肉のまとまり。頭痛の引き金になりやすい場所です。
- ストレートネック・前方頭位
- 頭が前に出て、首のカーブが失われた状態。スマホ・パソコンで定着しやすく、首と頭に負担をかけます。
- 関連痛(かんれんつう)
- 痛みを感じる場所と、その原因の場所がずれること。首の奥のしこりが、頭の痛みを起こす、など。
- 薬物乱用頭痛
- 鎮痛薬を使いすぎることで、かえって頭痛が起こりやすくなってしまう状態。
- 片頭痛(へんずつう)
- ズキンズキンと脈打つように痛み、吐き気や光のまぶしさをともなうことが多い頭痛。緊張型頭痛とは別のもので、当院では対応していません(当院の対応範囲)。
- 中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)
- 痛みが長く続くうちに、脳や脊髄の側が痛みを感じやすくなっていく変化。小さな刺激でもつらく感じる状態です。
- 臨床推論(りんしょうすいろん)
- 言葉・経過・生活の中の反応を手掛かりに、「次に何を確認するか」「どこへ相談するか」を組み立てていく考え方。診断は医師が行うものであり、当院では施術の可否・刺激量・相談先の優先度の整理に用います。実際の進め方は頭痛の表現と相談先の目安で開示しています。
緊張型頭痛でお越しいただける地域 ― 足柄上郡 開成町からのアクセス
快晴鍼灸院は神奈川県足柄上郡開成町吉田島(〒258-0021)にあります。小田急小田原線開成駅 西口から徒歩4分、マックスバリュのすぐ近く・大村楽器店(ヤマハ音楽教室)さんの向かいで、玄関前に駐車場を1台完備しています。電車でも車でも通いやすい立地のため、開成町はもちろん、足柄上郡一帯や周辺市から、緊張型頭痛・首筋の張りにお悩みの方がご来院されています。
各エリアからの所要時間の目安(お車・実測平均)
- 開成町・足柄上郡 大井町(上大井駅周辺)― 約8〜10分/東名・大井松田ICから6〜8分
- 足柄上郡 松田町(新松田駅周辺)― 約7〜9分
- 足柄上郡 山北町(山北駅周辺)― 約14〜16分
- 南足柄市(和田河原駅・大雄山駅・塚原駅周辺)― 約4〜10分
- 小田原市(栢山駅周辺)― 約3〜5分/小田原駅から約30分(小田急線では開成駅まで電車で約15分)
「緊張型頭痛を相談できる鍼灸院を、開成町・足柄上郡の近くで探している」という方は、まずお気軽にご相談ください。詳しい道順・地図・駐車場のご案内はアクセスページに掲載しています。
お問い合わせ・院情報
快晴鍼灸院(小田急小田原線 開成駅前)
〒258-0021 神奈川県足柄上郡開成町吉田島4345-5 杉山ビル1階C号TEL 0465-83-0380
営業時間 10:00〜21:00/定休日 木曜/受付は午前8時より
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