顎関節症 ― 顎や顔の痛み・口の開けにくさ・顎の音について― 足柄上郡 開成町の鍼灸・マッサージ・整体|快晴鍼灸院(開成駅 西口 徒歩4分)

顎関節症・食いしばりとデスクワーク姿勢の関係|長時間のパソコン作業による頭部前方位が顎の痛みを招く仕組みのイメージ|足柄上郡開成町 快晴鍼灸院
食いしばり・顎関節症の背景にあるデスクワーク姿勢と頭部前方姿勢。※AI作成の簡易図Concept & Direction: Takahito Kubota × AI ©

このページでは、あごが痛む・口が開けにくい・音が鳴るときに、あごの中で何が起きているのかを、専門知識がなくても読み通せる言葉でご説明します。 言葉はやさしくしていますが、中身は歯科の学会の分類や研究にもとづいており、まだわかっていないことは「わかっていない」とお書きしています。 あわせて、当院がお役に立てる場面と、歯科・口腔外科に先にお任せすべき場面の境目もお伝えします。

足柄上郡・開成町で顎関節症・顎の痛み・口の開けにくさにお悩みの方へ。快晴鍼灸院では、鍼灸・マッサージ・整体でやさしく対応しています。臨床32年・完全予約制の一対一施術。小田急小田原線 開成駅 西口から徒歩4分・駐車場完備で、開成町のほか足柄上郡の大井町・松田町・山北町、南足柄市・小田原市など近隣からもご来院いただけます。

まず確かめる ― あなたのあごに、こんなことは起きていませんか

むずかしい説明の前に、まずご自身の状態を確かめてみてください。次の5つのうち、思い当たるものはありますか。

1つでも当てはまった方へ:それは「顎関節症」と呼ばれる状態かもしれません。ただし、だからといって、すぐに深刻に受け止める必要はありません。次の章で、まず安心していただきたいことをお伝えします。
なお、ぶつけた・転んだあとの痛み/急に口が開かなくなった/あごが外れて戻らない/腫れ・熱・膿がある――こうしたときだけは、当院より先に医療機関へお願いします。

そもそも「顎関節症」とは、どういう状態のことか

顎関節症とは、ひとつの決まった病気の名前ではありません。あごの関節とそのまわりに起こる、いくつかの状態をまとめた呼び名です。たとえるなら、「おなかが痛い」という言葉の中に胃の不調も腸の不調も含まれているようなもので、同じ「顎関節症」でも、中身は人によって違います。共通して見られるのは、次の3つです。

  • あごや顔が痛む
  • 口が開けにくい(口を動かせる範囲がせまくなる)
  • あごの関節が鳴る(カクッというクリック音、ジャリジャリという音など)
しくみを一枚の絵で ― あごを「蝶番・バネ・使い方」に分けて考える あごを、一枚のドアにたとえてみてください。ドアの調子が悪いとき、原因は大きく三つに分けられます。
① 蝶番(ちょうつがい)そのものの不具合 ―― あごの関節、関節の中のクッション(関節円板)、骨の問題です。中を確かめられるのは、画像検査ができる歯科・口腔外科です。
② ドアを動かすバネのこわばり ―― あごを動かす「かむ筋肉」(咬筋・側頭筋・翼突筋)の問題です。当院がお手伝いできるのは、ここです。
③ ドアの使い方のクセ ―― 閉じたドアを、一日じゅう内側から押さえ続けているような使い方です。あごでいえば、上下の歯を触れ合わせ続ける食いしばり・TCHにあたり、バネ(かむ筋肉)を休ませません。
三つは重なることもありますが、どこに原因があるかによって、相談先が変わります。この絵を頭に置いておくと、このあとの説明がぐっと読みやすくなります。

原因はひとつではありません。猫背・首の前傾(ストレートネック)、食いしばり・TCH(歯列接触癖)、自律神経の不調との関わりも指摘されています(これらの関係について、現時点での医学的な裏づけはなお検証の途中です)。

快晴鍼灸院は、顎関節症に何をしてくれるのか ― 答えを先に

ひとことで答えると:快晴鍼灸院(神奈川県足柄上郡開成町)は、顎関節症のうち、あごを動かす筋肉(咬筋・側頭筋・翼突筋)のこわばりや使いすぎで痛むI型・咀嚼筋痛障害(そしゃくきんつうしょうがい:かむ筋肉の痛み)を対象に、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の国家資格をもつ施術者が、極細の鍼とマッサージで筋肉の緊張に働きかけます。あごだけでなく、食いしばり・こめかみ・首・後頭部・姿勢までを一続きの緊張として確かめ、歯科・口腔外科での治療やマウスピースと並行して、補完的にお手伝いします。

顎関節症の確定診断・画像検査・噛み合わせの調整・マウスピースの作製・関節円板や骨への処置は行いません。これらは歯科・口腔外科の役割です。

ご相談から施術までの流れ ― 最初から「鍼灸で対応する」とは決めません

  1. 歯科・口腔外科を優先すべき状態かを確かめますぶつけた・転んだあとの痛み、急に口が開かなくなった、あごが外れて戻らない、腫れ・発熱・膿がある――こうした場合は施術を行わず、医療機関での評価を先にお願いします(→ まず歯科・口腔外科へ行っていただきたいとき)。
  2. かむ筋肉と、それにつながる緊張を手で確かめます痛む場所・何をすると痛むか・口の開く量・咬筋や側頭筋を押したときの反応・首と姿勢の状態を確認し、4つのタイプのうちI型に近い状態かを切り分けます。見ているのは「顎 → 食いしばり → こめかみ → 首 → 後頭部 → 姿勢」という一続きの緊張です。
  3. 筋肉へ、必要な量だけ働きかけます咬筋・側頭筋・外側翼突筋には、直径0.16〜0.20mmの極細鍼(トリガーポイントへの刺鍼)とマッサージを。下あごの奥の内側翼突筋には、手で触れて確かめながら間接的に働きかけます(→ 歯に異常がないのに歯が痛む)。首・肩・後頭部の筋緊張もあわせて施術し、いきなり強い刺激は加えません。
  4. 食いしばり・姿勢のクセを一緒に見直します日中の歯の接触グセ(TCH)や、頭が前に出る姿勢を確認し、ご自宅で続けられるセルフケアをお伝えします(→ 食いしばり・TCHのページ/ストレートネックとあごの負担)。
  5. 歯科での治療と並行して続けます歯科の治療を中断して鍼灸へ切り替えることは、おすすめしていません。マウスピースは歯と関節を守り、鍼灸・マッサージは筋肉のこわばりへ働きかける――役割が異なるので併用できます。当院の範囲ではないと判断した場合は、その時点ではっきりお伝えします。
くわしく:I型(咀嚼筋痛障害)に絞って、具体的に行うこと
  • かむ筋肉・筋膜のリリース ― 食いしばりで縮みっぱなしになった咬筋・側頭筋・外側翼突筋に、こりの中心点への鍼(トリガーポイント鍼)と手技を行います。筋膜(きんまく)は筋肉を包むラップのような膜です。
  • 首・肩・後頭部の緊張をほぐす ― あごの動きを妨げている後頭下筋群・胸鎖乳突筋・舌骨まわりの筋の緊張に、マッサージやストレッチを行います。
  • あごの動く範囲への配慮 ― 状況に応じて関節運動を取り入れ、あごの関節まわりの動きやすさをサポートします。
  • 全身の緊張をゆるめる ― 施術中・施術後にリラックス感が得られやすく、噛みしめが減っていく土台づくりにつながると考えています(鍼灸と自律神経の指標との関係は研究結果にばらつきがあり、裏づけは限定的です)。
  • 顔鍼とのちがい ― 顎関節症の施術では、顔への刺鍼は顎まわりの必要な場所に限ります。顔全体・表情筋・目のまわりまで施術する顔鍼(60分 総額6,000円)は別の独立したコースで、1回の施術で組み合わせることはありません(→ 顔鍼と通常の鍼灸施術の違い)。顎の痛み・関節の音がなく、かむ筋肉のこわばりが中心の方は「顎こり」の解説もご覧ください。

誰が担当するのか ― 資格と経験

快晴鍼灸院で顎関節症の施術を担当する施術者の資格と経験
担当久保田 崇士(施術者)。完全予約制で、毎回同じ施術者が最初から最後まで一対一で担当します。
国家資格はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(厚生労働大臣免許/1994年取得)
臨床経験臨床32年。病院のリハビリ室での鍼灸・マッサージ・機能訓練(1994年〜)、鍼灸整骨院での修行(1997年〜)、在宅訪問マッサージ(2000〜2019年)を経て、2001年に開成町で開業(開業25年)。
あごの見方Travell & Simons『トリガーポイント・マニュアル』を基盤とする筋・筋膜性疼痛の考え方に、東洋医学のツボ(頷厭・下関・頬車)を評価の参考点として重ねます(→ かむ筋肉とツボ)。
所属公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会/一般社団法人 神奈川県鍼灸マッサージ師会 会員

▶ 経歴と施術方針のくわしい内容は 施術者紹介(ごあいさつ)、施術手段の全体像は 当院の施術 をご覧ください。

目指す変化と、お約束できないこと

目指す変化

  • 朝のあごのこわばり・重さ、食事のときの不快感がやわらぐこと
  • あごと連動する首筋の張り・こめかみの重さ(緊張型頭痛に似た症状)が一緒に軽くなること
  • 歯科で「異常なし」と言われた歯のような痛みに、筋肉が関わっていないかを触れて確かめること
  • マウスピースを続けながら、筋肉のこわばりにも手当てをすること

当院が行わないこと

  • 顎関節症の診断・画像検査
  • 噛み合わせの調整・マウスピースの作製
  • 関節円板のズレや骨の変形(II〜IV型)への処置
  • 歯科治療の中断のおすすめ
  • 効果のお約束(変化の現れ方には個人差があります)

※ 日本の顎関節症の診療ガイドラインに、鍼灸をすすめる記載はありません。当院の施術は歯科・口腔外科の標準的な治療の代わりではなく、補完的な手段です(→ ガイドラインにおける鍼灸の位置づけ)。

こんな段階でのご相談が、いちばん多くなっています

  • 歯科で「構造的な異常はない」と言われたが、あごのこわばりが残っている
  • マウスピース(ナイトガード)を使っていても、朝のあごの疲れや頭の重さが続く
  • 食いしばり・TCHや、首筋の張り・ストレートネックと、あごの症状が重なっている
  • 歯や歯ぐきに異常はないのに、歯のような痛みがある(非歯原性歯痛)
  • 抜歯など歯科の処置のあと、あごのだるさが長引いている(まずは処置を受けた歯科へ)
  • 診断名はついていないが、「顎が痛い」「口を大きく開けにくい」

料金は60分 4,200円(初めての方は初検料 1,500円)。顎関節症だけの特別な料金はなく、あご・首・肩をまとめて同じ時間内で施術します。咬筋・側頭筋への鍼もこの料金内です(顔鍼 6,000円との違いはこちら)。くわしくは施術メニュー・料金をご覧ください。

多くは「こわい病気」ではありません ― 今日からできる6つのこと

「顎関節症」と聞くと、重い病気を思い浮かべて強く不安になる方が少なくありません。 けれども、その多くは命に関わるものではなく、日々の習慣や姿勢を少し見直すだけで、自然に軽くなっていくことも多い ―― これは、臨床32年のなかで何度も目にしてきたことです。

まずは「心配しすぎないこと」。そのうえで、ご自身でできる小さな配慮を一つずつ重ねていただくこと。 それだけで、あごまわりの違和感がやわらいでいく方は多くいらっしゃいます。

日常生活で気をつけたい6つのポイント

この6つに気をつけていただくだけで、たいていのあごの不調は少しずつ落ち着いていくものです。 生活のなかで意識を変えていくことが、何よりも大切な「最初の一歩」になります。

あごの不調は4タイプ ― 当院がお手伝いできるのは、そのうち1つです

先に結論から:当院がお手伝いできるのは、I型・咀嚼筋痛障害――つまり、あごを動かす筋肉の使いすぎで痛むタイプだけです。
関節そのもの・関節の中のクッション(関節円板)・骨の変形が関わるII型〜IV型は、当院の対応範囲外で、歯科・口腔外科の領域になります。

ひと口に「あごが痛い」といっても、原因があごを動かす筋肉にあることもあれば、あごの関節そのもの・関節の中のクッション・骨の変形にあることもあります。ドアのたとえでいえば、前者が「バネ」、後者が「蝶番」の問題で、どちらなのかによって相談すべき場所が変わります。

以下の整理は、日本顎関節学会が公表している顎関節症の分類を参考情報として、当院がご相談の方向性を判断する際の手がかりにまとめたものです。

ひと目でわかる ― 4つのタイプ比較表

顎関節症のタイプ別 ― 症状の傾向と快晴鍼灸院の対応範囲(日本顎関節学会の分類を参考にした整理)
確認する軸I型 咀嚼筋痛障害II型 顎関節痛障害III型 顎関節円板障害IV型 変形性顎関節症
かんたんに言うとあごを動かす筋肉の使いすぎ。いわば「肩こりのあごバージョン」
(ドアのたとえ:バネのこわばり)
あごの関節の“継ぎ目”の痛み。関節の「捻挫」に近い
(蝶番の継ぎ目の痛み)
関節の“クッション”(関節円板)のズレ
(蝶番の中の部品のズレ)
関節の“骨そのもの”の変形
(蝶番の金具そのものの変形)
痛む場所ほお・こめかみなど筋肉のあるところ耳の前あたりの関節そのもの関節部(痛みより動きの問題が主)関節部
代表的な訴え噛むとほおやこめかみが痛む/朝起きるとあごが重い・疲れている/押すと響くこりがある動かすと特定の場所が痛む/関節を押すと痛い口を開けるとカクッと音が鳴る/途中で引っかかる/大きく開けられない動かすとジャリジャリ音がする/強い痛み・開口制限が続く
音の種類基本的に鳴らない基本的に鳴らないクリック音(カクッ)クレピタス(ジャリジャリ)
体に起きていること咬筋・側頭筋・内側翼突筋の過緊張とトリガーポイント。食いしばり・TCHが関与靭帯・関節包・滑膜の炎症や痛み関節円板の位置・動きの異常(前方転位など)下顎頭などの骨の変形・骨棘
確認に必要なことカウンセリングと触診で手がかりが得られることが多い関節構造・噛み合わせの評価が必要な場合がある画像評価が必要CT・MRIなどの画像検査と専門的診断が必要
快晴鍼灸院の対応主に対応するタイプ(筋・筋膜性疼痛の視点から)状態により判断。併存する筋緊張のみを対象とすることがあるこの病態そのものは対象外(併存する筋緊張のみ補助的に扱う場合あり)対応していません
相談先の目安歯科での確認後、鍼灸・マッサージの対象になりうる痛みが強い場合は歯科・口腔外科を優先歯科・口腔外科での評価を優先歯科・口腔外科での診察を優先

4つのタイプを、もう少しくわしく

I型:咀嚼筋痛障害(かむ筋肉の痛み) ― 当院が主に対応するタイプ

かんたんに:あごを動かす「筋肉」の使いすぎで痛むタイプ。いわば肩こりの“あごバージョン”です。

くわしく:I型の見分け方と当院の対応

あごを動かす筋肉(咬筋・側頭筋・内側翼突筋など=かむ筋肉/咀嚼筋)そのものに痛みが生じている状態です。筋肉の張りすぎやトリガーポイント(痛みの引き金になるこり)、首・肩まわりの緊張、食いしばり・TCH(歯列接触癖)が関係します。「噛むとほおやこめかみが痛む」「朝起きるとあごが重い・疲れている」「押すと響くこりがある」といった訴えが典型です。

関節の骨やクッションそのものには大きな異常がないことが多く、当院の鍼灸マッサージが主に対象とするのは、このタイプです。あごの関節そのものを治すというより、あごを動かす筋肉と、関わりの深い首・肩・頭まわりの緊張を整えることを目的とします。夜間の食いしばりから歯と関節を守るマウスピースとの併用も、役割が異なるため理にかなっています。

II型:顎関節痛障害 ― 状態により判断

かんたんに:あごの関節の“継ぎ目”(靭帯や関節包)に痛みが出るタイプ。関節の「捻挫」に近いイメージです。

くわしく:II型の特徴と当院の関わり方

あごの関節そのものの靭帯・関節包・滑膜などに炎症や痛みが出ている状態です。関節を包む組織の問題のため、足首の捻挫のように「動かすと特定の場所が痛む」のが特徴です。かむ筋肉の緊張(I型の要素)が重なっている場合は、まわりの筋肉の張りをやわらげる目的で施術が役立つことがあります。

ただし、関節部分の炎症や痛みが強い場合、噛み合わせや関節の構造を確かめる必要がある場合は、歯科・口腔外科での診察を優先していただきます。当院は関節そのものの治療・診断は行いません。

III型:顎関節円板障害 ― 歯科・口腔外科での評価が必要

かんたんに:関節の“クッション”(関節円板)がずれて、音が鳴る・引っかかるタイプ。当院の施術対象外です。

くわしく:III型の特徴と受診の目安

あごの関節の内部にあるクッション=関節円板の位置や動きに問題(前方へのズレなど)が生じている状態です。口を開けるとカクッと音が鳴る(クリック音)・途中で引っかかる・大きく開けられない(開口制限・ロッキング)、といった症状が関係することがあります。

関節の内部構造に関わる問題のため、当院ではこの状態そのものを施術の対象としていません。画像による確認を含め、歯科・口腔外科での評価をおすすめします(重なっている筋肉の張りだけを補助的に扱う場合はあります)。

IV型:変形性顎関節症 ― 歯科・口腔外科での専門的評価が必要

かんたんに:関節の“骨そのもの”が変形しているタイプ。画像検査と専門的な診断が必要で、当院では対応していません。

くわしく:IV型の特徴と受診の目安

あごの関節の骨(下顎頭など)に変形がみられる状態です。骨の表面が削れる・平らになる・骨棘(こつきょく)ができるなどの変化が起こり、動かすとジャリジャリという音(クレピタス)がすることもあります。確定にはCT・MRIなどの画像検査と専門的な診断が必要な領域であり、当院では対応していません。

あごの関節の変形が疑われる場合や、強い痛み・口が開かない状態が続く場合は、歯科・口腔外科での診察を優先してください。

「顎がカクカク鳴る」とは、実はほとんど聞きません ― 当院でうかがう、あごの音と感覚のことば

インターネットでは「顎がカクカク鳴る」という言い方をよく見かけます。けれども、当院で顎関節症や食いしばりのご相談をうかがってきたなかで、「カクカク鳴る」ということばそのものを訴えとして耳にしたことは、まずありません。「カクカク」は、動き全体がずっとギクシャクし続けているような響きのことばですが、実際にうかがうお話は、そういう形をしていないのです。

当院でうかがうお話では、あごの音や違和感は、口を開け閉めする途中の「一回の出来事」として語られることがほとんどです。実際に耳にしてきたことばを、そのまま並べます。

当院のカウンセリングで実際にうかがう、あごの音と感覚のことば(施術者の経験にもとづく整理)
ことばの種類実際にうかがうことば語られ方の特徴
音のことば(はじけるような音)「コクッ」「ガクッ」「コキッ」「ポキッ」開ける・閉じる途中で一回だけ鳴る、単発の音として語られる
音のことば(こすれる音)「ジャリジャリ」動かしているあいだ続く、こすれるような音(摩擦音)として語られる
感覚のことば「カックンと引っかかる」「ガクッとズレて戻る」「カクッと外れて、また入る感じ」音そのものより、動きの途中の引っかかり・ズレ・戻りとして語られる

とくに印象に残っているのは、音よりも「感覚」で話される方が多いことです。「鳴るんです」ではなく「ズレて戻るんです」「引っかかって、また入るんです」――あごの中で何かが動いた、という体の感じ方として語られます。

ご相談のときは、ご自身のことばのままで大丈夫です。「カクカク」と言い換える必要はありません。当院では、音の呼び名よりも次のことをうかがいます。
・いつ起きるか(開けるとき/閉じるとき/噛むとき/あくびのとき)
・どこで起きるか(耳の前か、ほおか、首のほうか)、左右どちらか
・一回だけ鳴るのか、動かしているあいだ続くのか
・痛み・引っかかり・口の開けにくさを伴うか、いつからか、変わってきているか
同じことを歯科・口腔外科でお伝えいただくと、状態を説明する手がかりになります。
くわしく:ことばと、あごの中で起きていること ― 当院の受け止め方

「コクッ」「ガクッ」など単発の音、「ズレて戻る」「外れてまた入る」感覚は、上の比較表でIII型(関節円板障害)に挙げたクリック音(カクッ)と同じ系統の訴えとして受け止めています。関節の中のクッション(関節円板)の位置や動きが関わる音は、一般に、開け閉めの途中で一回鳴る音として説明されています。

「ジャリジャリ」は、IV型(変形性顎関節症)に挙げたクレピタス(こすれる音)と同じ系統の訴えとして受け止めています。

「コキッ」「ポキッ」は、あごの関節の音とは限りません。あくびなどで口を大きく開けたときは、頭が後ろへ反るのにあわせて首の関節が鳴っていることも考えられます(→ あくび・大開口で首が鳴る)。どこで鳴っているかをうかがうのは、このためです。

比較表のとおり、当院が主に対応するI型(咀嚼筋痛障害)は、基本的に音が鳴らないタイプです。音や引っかかりがある場合は、関節の側の要素が重なっている可能性があるため、まず歯科・口腔外科での確認をおすすめしています。当院が関わるのは、そのうえで残るかむ筋肉のこわばりの側です。

なお、ことばだけでタイプが決まるわけではありません。同じ「コクッ」でも、人によって起きていることは異なります。ここに書いたのは、施術者がカウンセリングで耳にしてきたことばを整理したもので、件数を数えた統計ではなく、診断の手がかりとして使えるものでもありません。インターネットで「カクカク」がよく使われるのは、あごの音をひとまとめに表すのに便利なことばだからかもしれません(これは当院の推測です)。

▶ 口が急に開かなくなった・あごが外れて戻らない場合は、音の種類にかかわらず医療機関を優先してください。

分類だけでは説明しきれない、あごまわりの痛みについて

あごの関節や骨、クッションに明らかな異常が見つからないのに、あごまわりの痛みや違和感が続くことがあります。 その背景には、かむ筋肉の緊張・歯の接触グセ・食いしばり・首肩のこわばり・睡眠やストレス・自律神経の緊張など、複数の要素が重なっていることがあります。

当院では、こうした状態を「気のせい」とは考えません。 ただし、心理的な要素や、長引く痛みの要素が強い場合には、歯科・口腔外科・心療歯科・心療内科などでの専門的な評価が必要になることもあります。

筋肉の緊張が前面に出ている場合には、鍼灸マッサージであご・首・肩まわりの緊張をやわらげ、痛みや不快感が軽くなることを目指します。当院で対応できる症状・難しい症状の全体像は、適応・不適応ページにまとめています。

▶ 「鍼灸・マッサージに研究の裏づけはあるのか」というご質問には、研究の裏づけについてで、都合の悪い部分も含めて正直にお答えしています。

まず歯科・口腔外科へ行っていただきたいとき

当院は「かむ筋肉・筋膜・姿勢・ツボ」という視点であごの不調をみています。 ただし、あごや顔まわりの症状のなかには、鍼灸マッサージよりも先に、医療機関で確かめていただきたいものがあります。 次に当てはまる場合は、当院より先の受診をご検討ください。

これらに当てはまる状態では、原因に応じた画像検査や、医科・歯科での処置が優先されます。 とくにけがによるものは、歯科・口腔外科に限らず、形成外科・整形外科・脳神経外科・救急など、けがの場所や状態に応じた診療科での対応が必要になる場合があります。 快晴鍼灸院は、これらの診断や処置に代わるものではありません。

▶ 反対に、当院がお手伝いできる状態・ご相談の多い段階は 快晴鍼灸院は、顎関節症に何をしてくれるのか にまとめています。抜歯など歯科の処置のあとのあごのだるさは、よくあるご質問(Q14)もご覧ください。

ここから先は、もっとくわしく知りたい方へ

ここまでで、ご相談・ご予約に必要なことはひととおりお伝えしました。
この先は、体のなかで何が起きているのかを、根拠となる文献や研究も含めてご説明します。読まなくても支障はありません。気になる見出しだけ拾い読みしていただくのがおすすめです。

姿勢とあご|食いしばり・TCH|かむ筋肉とツボ|歯が痛いのに異常なし|研究の裏づけ|よくあるご質問

姿勢とあご ― ストレートネックとの関係

ひとことで言うと:頭が前に出た姿勢では首と肩が頭を支え続けるため、当院はあごだけでなく首・肩もあわせて見ていきます。

当院では、あごまわりだけでなくその土台となる首・肩・姿勢から整えることを大切にしています。 首・肩のこわばりがゆるむと、下あごを引き下げる力みが減り、あごの関節にかかり続けた負担も減る方向に働く、と当院は考えています。 ストレートネック(頭部前方姿勢)そのものの解説は、本ページでは扱いません。専用ページが担当します。

▶ ストレートネック・頭部前方姿勢の成り立ち、姿勢があごに負担をかける流れの3段階図解、首筋の張り・緊張型頭痛・自律神経を含む全身へのつながり、セルフチェック・セルフケアは、専用ページにまとめています。

⇒ ストレートネック・頭部前方姿勢の解説 ― 首筋の張り・頭痛・あごの負担との関係

姿勢とあごの負担(3段階図解)|なぜつらくなるのか|セルフチェック|セルフケア

食いしばり・TCHとの関係 ― どこまで重なるのか

ひとことで言うと:歯が触れているあいだかむ筋肉は休めませんが、食いしばりとあごの不調は一対一で対応するものではありません。

食いしばり・TCH(歯列接触癖)によるかむ筋肉の持続的な負担は、I型(咀嚼筋痛障害)に関わる要因のひとつです。 一方で、II型以降(関節を包む組織の痛み、関節の中のクッションのズレ、骨の変形)は関節の構造そのものの問題で、食いしばりの有無にかかわらず起こりえます。 食いしばり・TCHそのものの解説は、本ページでは扱いません。専用ページが担当します。

食いしばりがある方が、必ずあごの症状を起こすわけではありません。逆に、あごの痛みや音があっても、食いしばりが主な背景ではない場合もあります。両者は関連しやすい位置関係にありますが、一対一で対応するものではありません。

なお、あごの痛みでまず歯科・口腔外科での確認を優先していただきたいケースは、本ページの医療機関での確認を優先していただきたいケースにまとめています。

かむ筋肉とツボ ― 当院があごをどう見ているか

ひとことで言うと:当院は、かむ筋肉(咬筋・側頭筋・外側翼突筋)と、古くから使われてきたツボの位置との対応を手がかりに、あごの状態を見ています。

顎関節症・食いしばりに関わる側頭筋・外側翼突筋・咬筋と、経穴・頷厭・下関・頬車の位置関係を重ねた施術説明用イメージ図|足柄上郡開成町 快晴鍼灸院
【かむ筋肉とツボの対応イメージ図】顎関節症・食いしばりに関わるかむ筋肉(側頭筋・外側翼突筋・咬筋)と、東洋医学の代表的なツボ ― 頷厭(がんえん)・下関(げかん)・頬車(きょうしゃ) ― の位置関係を重ねて示した、快晴鍼灸院による施術説明用の概念図。解剖学の精細図ではなく、当院が筋・筋膜とツボを合わせて評価する見方を伝えるためのイメージ図です。Concept & Direction: Takahito Kubota × AI ©

あごの関節そのもの ―― 骨・関節の中のクッション・噛み合わせ ―― に目を向けることは欠かせません。 これは画像検査や処置を含めて、歯科・口腔外科でしか担えない領域です。 一方で、あごを実際に動かしているのはかむ筋肉(咀嚼筋:そしゃくきん)です。当院が見ているのは、こちらの側です。

ツボと重なる3つの筋肉 ― 咬筋・側頭筋・外側翼突筋

あごを動かす代表的な筋肉は4つ ―― 咬筋(こうきん)・側頭筋(そくとうきん)・外側翼突筋(がいそくよくとつきん)・内側翼突筋(ないそくよくとつきん)です。 このうち、ツボの位置と対応するのは前の3つです(深部にある外側翼突筋は、真上から見た位置での対応です)。残る内側翼突筋は下あごの骨の裏側にある奥の筋肉で、歯に異常がないのに歯が痛むという別の文脈で重要になります。

くわしく:3つの筋肉それぞれの特徴(1分ほど)
  • 咬筋(こうきん) ― ほお骨と下あごの骨をつなぐ、食いしばりで最も負担を受けやすい筋肉。 ほおの張りや、噛みしめたときの痛みとして感じられることがあります。
  • 側頭筋(そくとうきん) ― こめかみから下あごへ広がる、扇のような形の大きな筋肉。 トリガーポイント(過敏な痛みの点)ができると、頭の重さ・締めつけ感や、歯のような関連痛として現れることがあります。
  • 外側翼突筋(がいそくよくとつきん) ― あごの関節のすぐ下にある深い筋肉。 表面から単純に触れて押せる筋肉ではありませんが、口を開ける動きや、下あごを前・横へ動かす動きに関わるため、 あごの関節まわりのはたらきを考えるうえで重要な評価対象と位置づけています。

これらの筋肉は、食いしばり・TCH・頭部前方姿勢(ストレートネック)といった現代的な負担と深く関わります。 当院が首筋の張り・デスクワークの姿勢の負担・疲労性の腰痛と一連の流れであごの不調を見てきたのは、こうした緊張の連鎖が背景にあるためです。

頷厭・下関・頬車 ― 東洋医学から見た3つの点

東洋医学(鍼灸学)では、あご・口のまわりの施術点として、古くから頷厭(がんえん)・下関(げかん)・頬車(きょうしゃ)というツボが用いられてきました。 興味深いのは、これらの位置が、現代解剖学の示すかむ筋肉の走行と大きく重なることです。

くわしく:3つのツボと筋肉の対応(1分ほど)
  • 頷厭(がんえん) ― こめかみの側頭部にあるツボ。側頭筋のトリガーポイントが分布する範囲と重なります。
  • 下関(げかん) ― あごの関節のすぐ前にあるツボ。外側翼突筋やあごの関節まわりの組織を評価する際の参考点として用いられます。
  • 頬車(きょうしゃ) ― 下あごの角のあたり、咬筋の走行上にあるツボ。咬筋のトリガーポイントの評価点として参照されることがあります。

古典のツボと、現代のトリガーポイント ― 当院の見方

当院の施術の土台は、Travell & Simonsの『トリガーポイント・マニュアル』を中心とした 筋・筋膜性疼痛(=筋肉と、それを包む膜が原因となる痛み)の考え方にあります。

くわしく:なぜ二つの体系を並べて読むのか(1分ほど)

臨床32年のあいだ、首筋の張り、ストレートネック、デスクワークの姿勢の負担、食いしばり、TCH ―― これらを一連の流れとして捉えてきました。 東洋医学のツボ評価と、現代解剖学のトリガーポイント評価。この二つは対立する考え方ではなく、「同じ部位を別の言葉で説明している」と感じられる場面が、臨床のなかで何度もありました。 頷厭が側頭筋に、下関が外側翼突筋のまわりに、頬車が咬筋に重なる ―― この重なりは、上の図が示すとおりです。

目指しているのは、かむ筋肉の緊張の緩和、頭と首にかかる負担の軽減、 姿勢の負荷を含めた関わる部位の総合的な評価です。 断定的な物言いをするのではなく、お客さまの状態をていねいに見極め、 当院が補完的に関われる部分とそうでない部分を、その都度はっきりとお伝えします。

なお、あごの関節の構造的な問題(関節の中のクッションの位置異常・骨の変形・噛み合わせの不整合など)は、 歯科・口腔外科での画像検査・診察が必要な領域であり、当院の施術がそれに代わることはありません。

歯に異常がないのに歯が痛む ― あごの奥の筋肉(内側翼突筋)

ひとことで言うと:歯科で「異常なし」と言われた奥歯の痛みや耳の奥の違和感に、あごの奥の筋肉のこりが関わっていることがあります。

「歯や骨には異常がないと言われたのに、奥歯が痛む」「あごを動かすと耳の奥に違和感がある」 ――。 こうした症状の背景に、あごの奥にある内側翼突筋(ないそくよくとつきん)のこり(トリガーポイント)が隠れていることが少なくありません。

たとえると 天井にシミができたとき、シミの真上に水漏れの原因があるとは限りません。少し離れた配管から水が伝ってきていることがよくあります。「歯が痛いのに、歯には異常がない」ときも同じで、痛みを感じる場所(歯)と原因のある場所(あごの奥の筋肉)が、ずれていることがあるのです。
顎関節症・食いしばりに関わる内側翼突筋トリガーポイントと関連痛の解説図|深層の咀嚼筋のコリがこめかみ・頬の奥・耳の奥・奥歯(非歯原性歯痛)へ放散|足柄上郡開成町 快晴鍼灸院
【内側翼突筋とトリガーポイント】下あごの骨の内側にある、奥のかむ筋肉。こりは、こめかみ・ほおの奥・耳の奥・奥歯へと関連痛として広がります。Concept & Direction: Takahito Kubota × AI ©

1. 内側翼突筋と「非歯原性歯痛」のつながり

内側翼突筋にトリガーポイント(押すと痛みが響く、過敏になった点)ができると、その痛みは筋肉の場所だけでなく、 歯やあごの関節、さらには耳の奥へと広がることがあります。これが「歯に異常がないのに痛む」という非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)の一因と考えられています。
なぜ離れた場所が痛むのか。脳は、体のあちこちから届く痛みの信号を「どこから来たか」で整理していますが、信号の通り道が途中で合流していると、発信元を取り違えてしまうことがある ―― 関連痛については、こうした説明がよく知られています。上の「天井のシミ」のたとえは、この取り違えを表したものです。

2. 触れにくい筋肉への、間接的なアプローチ

内側翼突筋は下あごの骨の裏側に隠れているため、表面からのマッサージでは直接触れることが難しい部位です。 当院では、下あごの内側にそって手で触れて確かめながら、この奥深い筋肉のこわばりに間接的にはたらきかけます。

くわしく:具体的にどう行うのか
  • 反射を用いた緊張の緩和:下あごの内側の縁、とくに筋肉と腱の移行部への適切な押圧により、体に備わった反射を引き出し、深い層の緊張を間接的にゆるめます。
  • トリガーポイントへの刺鍼:解剖学的な構造を確かめたうえで、必要に応じて深い層へアプローチし、血のめぐりをうながします。

3. こりが強まりやすい条件

内側翼突筋は、咬筋と並んであごを閉じる側で働く筋肉です。そのため、あごを閉じる力が長く続く次のような場面で、こわばりが強まりやすくなります。

  • 強い食いしばり、夜間の歯ぎしり(クレンチング)
  • ストレートネックや頭が前に出た姿勢
  • 長時間のマスク着用:マスクによる口の開けにくさや耳への負担が、かむ筋肉の緊張が続く要因となることが、近年の臨床でも報告されています。

4. 施術の理論的な土台(参考文献)

当院の施術は、トリガーポイント研究の先駆けであるトラベル&サイモンズ両博士の学術的な知見を基盤とし、 それを日本の鍼灸・マッサージの手技に組み合わせて、お一人おひとりの症状に合わせた緩和ケアを目指すものです。

くわしく:参考文献

トリガーポイント研究を体系化したのは、ジャネット・トラベル(Janet G. Travell)博士とデイヴィッド・サイモンズ博士です。両博士の研究は、現代の筋膜痛への施術に広く影響を与えています。

参考文献: 『トリガーポイント・マニュアル 筋膜痛と機能障害 第1巻(頭頸部編)』 著者:Janet G. Travell, David G. Simons / 監訳:川原 群大

研究の裏づけについて ― 当院の正直なご説明

ひとことで言うと:日本の顎関節症ガイドラインは鍼灸を推奨も不推奨もしていません ― 検討の対象に入っていないためで、「効かないと証明された」という意味ではありません。

1. 日本のガイドラインに、鍼灸の推奨はありません ― 最初にお伝えします

たとえると 「ガイドラインに載っていない」と聞くと、「試験に落ちた」ように感じるかもしれません。けれど鍼灸の場合はそもそも受験していない状態です。ガイドラインは、あらかじめ決めた治療法のリストについて論文を集め、点をつけていく作業ですが、鍼灸はそのリストに入っていませんでした。ですから「×がついた」のでも「〇がついた」のでもなく、欄そのものが空白なのです。

空白である以上、「ガイドラインで認められた施術です」と申し上げることはできません。当院がこのページで鍼灸についてお話しできるのは、あくまで筋・筋膜性の痛みという枠組みでの一般的な知見と、当院がうかがってきた範囲の臨床上の印象までです。
くわしく:ガイドライン原文で確認できること(出典つき/2分ほど)
日本顎関節学会「顎関節症初期治療診療ガイドライン2023 改訂版」における各治療法の扱い(当院による整理)
治療法ガイドラインでの扱い
自己開口訓練推奨文あり。弱い推奨/エビデンスの確実性「非常に低」
スタビリゼーション口腔内装置(マウスピース)推奨文あり。弱い推奨/エビデンスの確実性「非常に低」
低出力レーザー照射推奨文あり。弱い推奨/エビデンスの確実性「非常に低」(保険適応外で治療費が高額でない場合)
マッサージ(徒手療法)推奨文は作成されていません。直接比較した研究がなく、間接比較による推定値のみが示されています(痛み・3か月以内、プラセボとの比較でSMD −1.3、95%信頼区間 −3.01〜0.41)。信頼区間が0をまたいでいるため、統計的に確定した差とはいえません
鍼灸(はり・きゅう)記載そのものがありません。文献検索の対象治療法一覧に含まれておらず、推奨・不推奨のいずれの判断も示されていません

また、同学会「顎関節症治療の指針2020」が基本治療として挙げているのは、疾患教育とセルフケア指導・理学療法(物理療法/運動療法)・薬物療法・アプライアンス療法の4つです。こちらにも鍼灸への言及はありません。

当院がこの事実をどう受け止めているか:「ガイドラインに載っていないのだから意味がない」とも、「載っていないだけで実は有効だ」とも申し上げません。公的な推奨が存在しない領域で施術を行っているという前提を先にお伝えしたうえで、対応範囲をI型(咀嚼筋痛障害)に限り、II型以上は歯科・口腔外科へお願いする ― それが当院の取り得る唯一誠実なやり方だと考えています。

出典:
・一般社団法人日本顎関節学会 診療ガイドライン委員会編『顎関節症初期治療診療ガイドライン2023 改訂版』(PDF/Mindsガイドラインライブラリ掲載ページ)
・一般社団法人日本顎関節学会編『顎関節症治療の指針2020』(PDF)
※ 上記は2026年9月11日時点で当院が確認した内容です。ガイドラインは改訂されることがありますので、最新版は発行元でご確認ください。

2. ガイドラインの「非常に低」を、どう読むか

たとえると 「研究の裏づけが非常に低い」と聞くと、つい「効かないんだ」と思ってしまいがちです。でも、ここは少し違います。これは「まだ十分に調べきれていない(証拠が足りない)」という意味であって、「効果がないと証明された」わけではありません。いわば、まだ通信簿のついていない新しい教科のようなもの。点数が低いのではなく、テストの回数そのものがまだ少ないのです。

しかも、この「非常に低」という評価は、マッサージだけが特別なのではありません。ガイドラインで弱く推奨された3つの初期治療(自分で口を開ける訓練・マウスピース・低出力レーザー照射)も、すべて同じ「非常に低」でした(マッサージはこの3つには入っておらず、推奨文そのものが作られていません)。つまり、顎関節症の初期治療という分野そのものが、まだ質の高い比較試験を積み上げている途中なのです。「研究の裏づけが低い」=「効果が否定された」ではありません。
くわしく:GRADEという格付けと、効果推定値 SMD −1.3 の意味(2分ほど)

日本顎関節学会「顎関節症初期治療診療ガイドライン2023 改訂版」は、エビデンスの確実性をGRADEシステムに基づき4段階(高・中・低・非常に低)で評価しています。推奨文が作成された3つの初期治療(自己開口訓練・スタビリゼーション口腔内装置・低出力レーザー照射)も、評価にとどまったマッサージも、いずれも最下位の「非常に低(very low)」でした。これは効果の否定ではなく、ランダム化比較試験(RCT)の数・サンプルサイズ・バイアスリスク・結果のばらつきなどから、真の効果を確信できるだけの根拠がまだ蓄積されていないことを示す格付けです。なお鍼灸は、そもそも本ガイドラインの文献検索の対象治療法に含まれていません(=推奨・不推奨いずれの判断も存在しません)。

マッサージの効果推定値は、痛み(3か月以内)のプラセボとの比較で標準化平均差(SMD)−1.3、95%信頼区間 −3.01〜0.41と報告されており、数値の向き自体は痛みの軽減方向を示しています。ただし信頼区間が0をまたいでおり、統計的に確定した差とはいえません。しかもこれは直接比較の研究がないための間接比較による推定値であり、この不確かさゆえにマッサージには推奨文が作成されませんでした。「効果がありそうな方向は見えているが、確信するには研究が足りない」というのが正確な読み方になります。「エビデンスが低い=効果が否定された」ではない点は、ガイドライン解釈上もっとも誤解されやすいポイントです。当院が対象とするI型・咀嚼筋痛障害(咬筋・側頭筋などの筋・筋膜性疼痛)は、こうした初期治療の枠組みのなかで鍼灸・マッサージが補完的に検討されてきた領域にあたります。

3. あごへの施術と「頭痛・こめかみの重さ」についての研究

顎関節症(TMD)にともなう慢性の頭痛に、あごの関節や顔面への理学療法(手による施術・トリガーポイント療法・ストレッチなど)が役立つかを検証した研究が、2025年に国際学術誌に発表されました。

たとえると 研究がひとつだけだと、「たまたまかも?」という疑いが残ります。そこで、世界中の質の高い研究をいったん集めて、まとめて読み直すのがシステマティックレビューという手法です。いわば、映画の感想を一件だけ見て決めるのではなく、信頼できるレビューだけを集めて全体の傾向をつかむようなもの。一件の口コミより、ずっと当てになります。

今回のレビューでは、厳しい条件で選ばれた研究(ランダム化比較試験)5件のうち3件で、あご・顔への施術によって頭痛の強さや頻度が有意に改善したと報告されました。咬筋・側頭筋のこわばりがこめかみの重さ・頭の重さとして現れる――これは、当院がI型・咀嚼筋痛障害で日々向き合っている景色と、方向性が重なる知見です。
ただし、ここは正直に: これは「必ず効く」という保証ではありません。著者ら自身も、研究の質にばらつきがあり、今後さらに標準化された研究が必要だと述べています。効果の現れ方には個人差があり、当院は診断・治療を行う医療機関ではありません。強い頭痛・突然の頭痛・これまでにない頭痛などは、まず医療機関での評価を優先してください。
くわしく:論文紹介(Quilghini ら 2025・システマティックレビュー/2分ほど)

出典:Quilghini C, Lefflot J, Buchholtz K. The effectiveness of physiotherapy for chronic headaches in patients with temporomandibular disorders: a systematic review. Front Rehabil Sci. 2025; DOI: 10.3389/fresc.2025.1647927

顎関節症(TMD)に併発する慢性頭痛に対する理学療法(徒手療法・トリガーポイント療法・ストレッチなど)の有効性を検証したシステマティックレビューです。組み入れ基準を満たしたランダム化比較試験(RCT)5件を解析し、3件で頭痛の強度または頻度が有意に改善、1件は対照群が良好、1件は有意差なしと報告しています。著者らは「顎への理学療法が慢性頭痛とTMDの管理に役立つ可能性がある」と結論づける一方で、研究の質・介入内容の報告にばらつきがあり、今後さらに標準化された研究が必要であると明記しています。

当院が咀嚼筋(咬筋・側頭筋など)へのマッサージ・トリガーポイント鍼灸・ストレッチで関わる「I型・咀嚼筋痛障害」、とりわけこめかみ・側頭部の重さや緊張型頭痛に似た症状をともなうケースと方向性が重なります。ただし本知見はあくまで補完的な参考情報であり、現時点でのエビデンスは限定的で、診断・治療効果を保証するものではありません。なお当院は診断・治療を行う医療機関ではなく、確定診断・画像評価は歯科・口腔外科でお受けください。

4. だからこそ、当院は対応範囲をI型に絞ります

研究の状況がこうであるからこそ、当院はできることとできないことの線引きを、はっきりさせておくべきだと考えています。
当院が対応するのは、顎関節症I型・咀嚼筋痛障害、すなわち咬筋・側頭筋などの筋肉・筋膜の痛みです。これは鍼灸・マッサージが本来もっとも扱ってきた領域です。実際に、マウスピースになじめない・変化を実感できないという理由で、かむ筋肉への鍼灸・マッサージを希望して来院され、症状が軽くなったと感じられる方もいらっしゃいます。
一方で、顎関節症II型以上(関節そのもの・関節の中のクッション・骨の障害)は当院の対応範囲外です。診断は歯科・口腔外科の役割であり、当院は診断を行いません。当院で対応できる症状・難しい症状の全体像は、適応・不適応ページにまとめています。
繰り返しになりますが、当院の施術は、ガイドラインが示す標準的な治療の代わりに行うものではありません(ガイドラインにおける鍼灸の位置づけ)。歯科・口腔外科での治療を中断してのご来院は、おすすめしていません。

やさしい用語集 ― このページの言葉を、ひとことで

本文に出てくる専門的な言葉を、やさしく言い換えてまとめました。さらにくわしくは、本文中の「くわしく」の折りたたみもご覧ください。

顎関節症(がくかんせつしょう)
あごが痛む・口が開けにくい・動かすと音がする、などの状態をまとめた呼び名。多くは命に関わる病気ではありません。
かむ筋肉(そしゃくきん)
ものをかむときに使う筋肉のこと。ほお(咬筋)、こめかみ(側頭筋)、あごの奥(翼突筋)などがあります。
TCH(歯列接触癖)
日中、気づかないうちに上下の歯を軽く触れ合わせ続けてしまうクセ。あごの筋肉を疲れさせます。
食いしばり・クレンチング
上下の歯を強く噛みしめ続けること。睡眠中や集中時に無意識で起きやすく、あごに大きな負担をかけます。
ストレートネック
本来ゆるやかにカーブしている首の骨が、まっすぐになった状態。首・肩・あごに負担がかかりやすくなります。
トリガーポイント
筋肉の中にできる「しこり」。離れた場所(歯や耳の奥など)に痛みや違和感を起こすことがあります。
非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)
歯そのものには虫歯などの異常がないのに、歯が痛いと感じる状態。あごの奥の筋肉のこりが原因のことがあります。
ツボ(経穴:けいけつ)
東洋医学で、体の調子をみる目印として使われてきた点。あご周りでは頷厭・下関・頬車などが知られています。
筋膜(きんまく)
筋肉を包んでいる、ラップのような薄い膜。かたくなると筋肉も動きにくくなります。
関節円板(かんせつえんばん)
あごの関節のなかでクッションの役目をする組織。位置や動きがずれると、口の開け閉めの途中で「コクッ」「カクッ」と一回鳴ったり、引っかかって「ズレて戻る」ように感じたりすることがあります。
クリック音
口の開け閉めの途中で一回鳴る、はじけるような関節の音。当院では「コクッ」「ガクッ」「カクッ」などのことばでうかがいます(→ あごの音のことば)。
クレピタス(捻髪音)
あごを動かしているあいだ続く、こすれるような関節の音。当院では「ジャリジャリ」ということばでうかがいます。
安静位空隙(あんせいいくうげき)
口を閉じても上下の歯が触れず、2〜3mmのすき間がある、あごが本来リラックスした状態。
I型(咀嚼筋痛障害/そしゃくきんつうしょうがい)
顎関節症の4タイプのうち、あごを動かす筋肉の使いすぎで痛むタイプ。当院がお手伝いできるのは、このタイプです。
関連痛(かんれんつう)
こりのある場所ではなく、離れた場所に感じる痛み。あごの奥の筋肉のこりが、歯や耳の奥の痛みとして現れることがあります。
エビデンス
研究による裏づけのこと。「エビデンスが低い」は「効果がない」ではなく「まだ十分に調べられていない」という意味です。

顎関節症の鍼灸施術について ― よくあるご質問

歯科を受診したあとも、「鍼灸で本当に良くなるのか」「どんな施術なのか」と不安を抱えてお問い合わせをいただきます。 ここでは、お客さまから実際にいただくご質問の中から、特に多いものをまとめました。 ここに記載のないご質問は、お電話(0465-83-0380)でお気軽にお尋ねください。

Q0. デスクワークの首筋の張りと食いしばりを両方見てくれる鍼灸院は?

足柄上郡開成町の快晴鍼灸院は、デスクワークによる首筋の張りと食いしばり(TCH)を、つながった一つの問題として一緒にみることができます。 長時間のパソコン作業で頭が前に出ると、首の後ろの筋が常に頭を支えて緊張し、同時に無意識の食いしばりで側頭筋・咬筋などのかむ筋肉も硬くなります。 首筋の張りと食いしばりは、首・顎を中心とした緊張ネットワークとしてつながっているため、片方だけをみても戻りやすいのです。 当院では首と顎の両方を評価し、かむ筋肉・後頭下筋群のトリガーポイントへまとめてアプローチします。臨床32年の国家資格者が毎回一対一で担当します。

Q1. 顎関節症に鍼灸は本当に効果がありますか?

まず前提として、顎関節症は歯科・口腔外科での評価・診断を優先していただく領域です。 そのうえで、かむ筋肉(咬筋・側頭筋・内側翼突筋など)の過緊張やトリガーポイントが関係する 顎関節症I型(咀嚼筋痛障害)に限り、鍼灸マッサージは筋・筋膜性疼痛に対する補完的な手段の一つとして検討されています。

関節円板や骨の構造に関わるII〜IV型は当院では対応しておらず、歯科・口腔外科での評価が必要です。 当院では初回のご相談時にI型に近い状態かを丁寧に確認し、適応外と判断した場合は速やかに歯科をご案内します。 なお、変化の現れ方には個人差があり、現時点での研究の裏づけも限定的である点をご承知おきください。

Q2. 顎関節症の診療ガイドラインでは、鍼灸は推奨されていますか?

推奨されていません。正確には、日本顎関節学会「顎関節症初期治療診療ガイドライン2023 改訂版」が推奨文を示しているのは自己開口訓練・スタビリゼーション口腔内装置(マウスピース)・低出力レーザー照射の3つ(いずれも弱い推奨/エビデンスの確実性は「非常に低」)で、鍼灸は文献検索の対象治療法に含まれていません。つまり推奨も不推奨も示されていないという状態です。同学会「顎関節症治療の指針2020」にも鍼灸への言及はありません。

当院はこの事実を隠さずお伝えしています。当院の施術は、歯科・口腔外科で行われる標準的な治療の代わりになるものではありません。確定診断・かみ合わせの評価・マウスピース作製・関節への処置は歯科・口腔外科の役割で、当院が関わるのはその評価を経てなお残るかむ筋肉のこわばり・痛みに対する補完的な手段としてです。くわしくはガイドラインにおける鍼灸の位置づけをご覧ください。

Q3. 顎に鍼を刺すのは痛くないですか? 怖いです。

当院で使用する鍼は髪の毛ほどの細さ(直径0.16〜0.20mm)で、注射針の約1/10です。 多くの方は「刺された感覚がほとんどなかった」とおっしゃいます。

ただし、かむ筋肉のトリガーポイントに鍼が届いた瞬間は、 ズーンとした重い感覚(響き)が出ることがあります。 これは痛みではなく、筋肉が反応している証です。 臨床32年の経験に基づき、刺激量はお客さまの感受性に合わせて細かく調整しますので、初めての方もご安心ください。

Q4. 何回くらい通えば変化を感じられますか?

回数をお約束することはできません。当院でうかがう範囲では、3〜5回の施術のあいだに何らかの変化を感じられる方が多い印象です。

長年の食いしばりや姿勢の癖が背景にある場合、筋肉のこわばりが定着しているため、より時間をかけて整えていく必要があります。 初回の施術後に、症状の見立てと推奨する通院頻度について丁寧にご説明します。 「あと何回必要か」が見えない不安を残さないよう、初回のご来院時に見立てと通院の目安をご説明します。

Q5. 歯科で処方されたマウスピース(ナイトガード)を使っていますが、鍼灸と併用できますか?

はい、併用していただいて全く問題ありません。むしろ強く推奨しています。

マウスピースは夜間の歯ぎしりから歯と関節を守る重要な装具で、当院でも装着の継続をお勧めしています。 マウスピースが構造的に保護する一方で、鍼灸マッサージはかむ筋肉そのもののこわばりを直接ゆるめます。 役割が異なるため、両者の併用が最も合理的なアプローチです。

Q6. 歯科で「異常なし」と言われた歯の痛みも相談できますか?

はい、ぜひご相談ください。歯や歯ぐきに異常がないにもかかわらず歯のような痛みを感じる症状は 「非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)」と呼ばれ、その背景に かむ筋肉、特に内側翼突筋のトリガーポイントが関係していることがあります。

ただし、まず歯科で虫歯・歯周病・歯根の異常がないことを確認していただくことが大前提です。 歯科で異常なしと診断されたうえでなお続く痛みについて、筋肉が原因の可能性があるかを判断するお手伝いをします。

Q7. ストレートネックや猫背の改善も一緒にお願いできますか?

はい。顎関節症の背景には、ほぼ必ず頭部前方姿勢・ストレートネック・猫背が関係しています。 後頭下筋群、胸鎖乳突筋、僧帽筋上部などの首・肩の筋緊張を整えることは、顎への負担を減らすうえで欠かせません。

当院では顎まわりの施術と並行して、首・肩・上背部のバランス調整、そしてご自宅で続けられる 姿勢のセルフケアアドバイスもお伝えしています。

Q8. 健康保険は使えますか? 費用はどのくらいかかりますか?

顎関節症に対する鍼灸施術は、自費施術となります。 健康保険の鍼灸適用は限定的な疾患に限られており、顎関節症は原則として対象外です。

費用の詳細につきましては、施術メニューのページをご覧ください。 初検時にも丁寧にご説明し、ご納得いただいてから施術を開始します。

Q9. 子どもや高齢の家族でも受けられますか?

はい、年齢を問わず対応可能です。 臨床32年の中で、10代の学生さんから80代の方まで、幅広い年齢層の顎関節症の方を施術してまいりました。

刺激量は年齢・体力・症状に応じて細かく調整します。 ご高齢の方や鍼に強い不安を感じる方には、マッサージ中心の施術もご用意していますので、ご希望をお伝えください。

Q10. 鍼灸では顎関節症にどのようなツボを使うのですか?

当院では、顎口部周辺の代表的なツボとして 頷厭(がんえん)・下関(げかん)・頬車(きょうしゃ)を、 施術評価の参考点のひとつとして用います。

これらは、かむ筋肉(側頭筋・外側翼突筋・咬筋)の走行や筋膜の分布と 重なる部位でもあります。当院では、東洋医学的なツボ評価と 現代解剖学的なトリガーポイント評価を統合する視点から活用しています。 ただし、押せば治る「特効点」ではなく、症状の状態・歯科的評価を 踏まえたうえで総合的に判断します。

Q11. 頷厭・下関・頬車は、顎関節症や食いしばりの「特効点」ですか?

いいえ、特効点ではありません。 頷厭(がんえん)・下関(げかん)・頬車(きょうしゃ)は、 東洋医学において顎口部周辺の代表的なツボとして古くから参照されてきた評価点であり、 解剖学的には側頭筋・外側翼突筋・咬筋といったかむ筋肉の走行と重なる部位です。

快晴鍼灸院では、これらを古典的なツボ理論と現代の筋・筋膜解剖の知見を 重ね合わせて見る、評価の参考点のひとつとして用いています。 「ここに鍼を打てば顎関節症が治る」というような特効点としては扱っておりません。

また、顎関節症の確定診断・画像評価・噛み合わせ・関節構造に関わる事項は 歯科・口腔外科の領域であり、当院の施術はそれらを代替するものではありません。

Q12. 咬筋(かむ筋肉)へのボトックス(ボツリヌス毒素)施術を受けています。鍼灸マッサージは並行して受けられますか?

当院は歯科治療と並行してご受診いただけることを基本方針としていますが、 かむ筋肉(咬筋・側頭筋など)へのボトックス施術を受けている期間中の、かむ筋肉への鍼灸・マッサージは、原則として一時お控えいただいています。 注射を受けられた場合は最低でも 2〜4 週間、かむ筋肉への施術を見合わせてください。 実施予定・実施履歴・部位は、必ず初回カウンセリング時または都度のご来院時にお知らせください。

見合わせをお願いする理由(薬剤への影響、症状評価が難しくなること)、首・肩・背中など他部位であれば対応可能なケース、 再開の判断については、食いしばり・TCHのページに詳しくまとめています。

Q13. 顎関節症による頭痛(こめかみの重さ)にも鍼灸・手技療法は役立ちますか?

顎関節症(TMD)にともなう慢性頭痛については、近年、顎関節・顔面への理学療法(徒手療法・トリガーポイント療法・ストレッチなど)の有効性を検証した研究が報告されています。 2025年に学術誌Frontiers in Rehabilitation Sciencesに発表されたシステマティックレビューでは、組み入れられたランダム化比較試験5件のうち3件で、顎・顔面への理学療法によって頭痛の強さや頻度が有意に改善したと報告されています(Quilghini C, et al. 2025; DOI: 10.3389/fresc.2025.1647927)。

当院が対応するI型・咀嚼筋痛障害では、咬筋・側頭筋などのこわばりがこめかみの重さや頭の重さとして現れることがあり、上記の知見と方向性が重なります。 ただし著者らも「研究の質にばらつきがあり、さらに標準化された研究が必要」と述べているとおり、現時点での研究の裏づけは限定的で、効果には個人差があります。 また、強い頭痛・突然の頭痛・これまでにない頭痛などは、まず医療機関での評価を優先してください。

Q14. 親知らずの抜歯や歯の治療のあと、顎がだるく・痛くなりました。みてもらえますか?

口を大きく長く開ける処置のあと、かむ筋肉(咬筋・外側翼突筋など)が一時的に疲労し、顎の重さ・だるさ・噛むときの違和感が出ることがあります。これは多くの場合、長時間の開口に対する生理的な反応で、処置自体の問題ではなく、時間とともに自然に和らぐことがほとんどです。まずは処置を受けた歯科で経過をご相談いただき、なお残る筋肉のこわばりがつらい場合は、当院が筋・筋膜性疼痛(I型・咀嚼筋痛障害)の視点から補完的にお手伝いします。変化には個人差があり、当院は診断・治療を行う医療機関ではありません。

Q15. 開成・足柄上郡で、顎関節症・顎の痛みを鍼灸・マッサージ・整体で相談できますか?

はい。快晴鍼灸院は足柄上郡開成町(小田急小田原線 開成駅 西口から徒歩4分・駐車場完備)にあり、顎関節症・顎の痛み・口の開けにくさに対して鍼灸・マッサージ・整体による施術を行っています。南足柄・小田原や足柄上郡の大井町・松田町・山北町など近隣からもご来院いただけます。臨床32年・国家資格保持者による完全予約制・一対一施術です。

なお、顎関節症の確定診断や関節構造に関わる事項は歯科・口腔外科の領域です。当院は筋・筋膜性の顎の痛み(I型・咀嚼筋痛障害)を主対象とした補完的な施術を行います。

Q16. 顎関節症と診断されていません。「顎が痛い」というだけでも相談できますか?

はい、診断名がついていない段階でも構いません。実際、足柄上郡・開成町から「顎が痛い」「口を大きく開けにくい」というご相談でお越しになる方の多くは、まだ診断を受けていない段階です。当院ではまず、痛む場所・開口量・かむ筋肉の押したときの反応・首と姿勢の状態を確認し、かむ筋肉に由来する痛み(I型)として施術できる状態かを切り分けます。

切り分けの目安はセルフチェックと4タイプの比較表にまとめてあります。ぶつけたあとの痛み、急に口が開かなくなった、あごが外れて戻らない、腫れ・発熱・膿がある場合は、当院ではなく医療機関の受診を優先してください。判断に迷う段階でのお電話(0465-83-0380)でも構いませんし、施術対応適否セルフチェック(約30秒)もご利用いただけます。

Q17. 顎が痛いとき、歯科と鍼灸のどちらに先に相談すればよいですか?

顎の痛みや口の開けにくさがあるとき、快晴鍼灸院ではまず「歯科・口腔外科を優先すべき状態か」を確認します。ぶつけた・転んだあとの痛み、急に口が開かなくなった、顎が外れて戻らない、腫れ・発熱・膿がある、関節の内部や骨の問題が疑われる場合は、歯科・口腔外科など医療機関での評価が先です。歯科的な問題が確認されず、咬筋・側頭筋・翼突筋など、かむ筋肉のこわばりや使いすぎが残っている場合が、当院がお手伝いする範囲です。歯科での治療を中断して鍼灸へ切り替える必要はなく、マウスピースなど歯科での管理を続けながら、筋肉のこわばりについて補完的に施術を受けていただけます。どちらに相談すべきか迷う段階でのご相談も受け付けています。

対応の順序はご相談から施術までの流れにまとめています。

Q18. 「顎がカクカク鳴る」のは顎関節症ですか?

あごの音は顎関節症の代表的な症状のひとつとされていますが、音だけでは、どのタイプかは判断できません。なお、インターネットでよく見る「カクカク鳴る」という言い方を、快晴鍼灸院のカウンセリングで訴えとしてうかがうことは、まずありません。実際には「コクッ」「ガクッ」「コキッ」「ポキッ」と一回だけ鳴る音、「ジャリジャリ」とこすれる音、あるいは「カックンと引っかかる」「ガクッとズレて戻る」「カクッと外れてまた入る感じ」といった感覚のことばで語られることがほとんどです。

一回鳴る音や引っかかりは関節の中のクッション(関節円板)の動き、こすれる音は関節の表面の変化と関わることがあり、確認は歯科・口腔外科の役割です。痛み・口の開けにくさ・引っかかって開かなくなる状態があれば、まず歯科・口腔外科へご相談ください。当院が関わるのは、確認を経たうえで残る、かむ筋肉のこわばりの側です。くわしくは当院でうかがう、あごの音と感覚のことばをご覧ください。

顎関節症・顎の痛みでお越しいただける地域 ― 足柄上郡 開成町からのアクセス

「足柄上郡・開成町で、顎の痛みを相談できるところは?」への答え:快晴鍼灸院(神奈川県足柄上郡開成町吉田島4345-5/小田急小田原線 開成駅 西口から徒歩4分・駐車場1台)で、顎の痛み・口の開けにくさ・かむときのつらさに鍼灸・マッサージ・整体で対応しています。ただし対応するのはかむ筋肉に由来する痛み(顎関節症I型)で、確定診断と関節の構造に関わる問題は歯科・口腔外科の役割です。

施設名
快晴鍼灸院(はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧/完全予約制・一対一施術)
所在地
〒258-0021 神奈川県足柄上郡開成町吉田島4345-5 杉山ビル1階C号
最寄駅・駐車場
小田急小田原線 開成駅 西口から徒歩4分/玄関前に駐車場1台
電話・受付
0465-83-0380(受付は午前8時より)/営業 10:00〜21:00/定休日 木曜
顎について対応する範囲
かむ筋肉(咬筋・側頭筋・内側翼突筋)に由来する顎の痛み・こわばり・かみにくさ=顎関節症I型(咀嚼筋痛障害)。歯科で「異常なし」と言われたあとの筋肉性の痛みを含みます。
対応しない範囲
顎関節症の確定診断、噛み合わせの調整、マウスピース作製、関節円板・骨の変形に関わる処置(いずれも歯科・口腔外科の領域)。外傷後の痛み・急な開口障害・腫れや発熱は医療機関の受診を優先していただきます。
主な来院エリア
足柄上郡(開成町・大井町・松田町・山北町)、南足柄市、小田原市
担当者
久保田 崇士(厚生労働大臣免許 はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師/臨床32年)

快晴鍼灸院は神奈川県足柄上郡開成町吉田島(〒258-0021)にあります。小田急小田原線開成駅 西口から徒歩4分、マックスバリュのすぐ近く・大村楽器店(ヤマハ音楽教室)さんの向かいで、玄関前に駐車場を1台完備しています。電車でも車でも通いやすい立地のため、開成町はもちろん、足柄上郡一帯や周辺市から、顎関節症・顎の痛みを鍼灸・マッサージ・整体で相談したい方がご来院されています。

各エリアからの所要時間の目安(お車・実測平均)

  • 開成町・足柄上郡 大井町(上大井駅周辺)― 約8〜10分/東名・大井松田ICから6〜8分
  • 足柄上郡 松田町(新松田駅周辺)― 約7〜9分
  • 足柄上郡 山北町(山北駅周辺)― 約14〜16分
  • 南足柄市(和田河原駅・大雄山駅・塚原駅周辺)― 約4〜10分
  • 小田原市(栢山駅周辺)― 約3〜5分/小田原駅から約30分(小田急線では開成駅まで電車で約15分)

「顎関節症・顎の痛みを相談できる鍼灸院を、開成町・足柄上郡の近くで探している」という方は、まずお気軽にご相談ください。詳しい道順・地図・駐車場のご案内はアクセスページに掲載しています。なお、顎関節症の確定診断・噛み合わせ・関節構造に関わる事項は歯科・口腔外科の領域です。当院は筋・筋膜性の顎の痛み(I型・咀嚼筋痛障害)を主対象とした補完的な施術を行っています。

お問い合わせ・院情報

顎関節症・顎の痛み・口の開けにくさについてのご相談・ご予約は、お電話またはLINEで承っております。 「自分の症状が当院の対応範囲(I型・咀嚼筋痛障害)に当てはまるか分からない」という段階でも、どうぞお気軽にお問い合わせください。

受付 午前8時より/営業 10:00〜21:00/定休 木曜

☎ 電話する LINEで予約

お問い合わせをお待ちしております

ご予約・ご相談はお電話またはLINEでお気軽にどうぞ。

TEL 0465-83-0380 営業時間 10:00〜21:00/受付は午前8時より/定休日 木曜
LINEで予約するアクセス・地図