足柄上郡開成町の快晴鍼灸院|トリガーポイント・ディープティシュー・指圧・鍼灸・整体・リハビリ

当院の施術方針 ― 手技を選ぶ前に、身体の状態を見極めます

本ページの中核思想

当院は、手技から施術を始めません。まず身体の状態を見極めることから始めます。

慢性的な首こり・緊張型頭痛・顎関節症・TCH・自律神経の揺らぎ・慢性腰痛 ― これらは別々の症状ではなく、首・顎・背骨際・自律神経を結節点とする 『慢性的緊張ネットワーク』の出力結果として、同じお客様の身体に同居していることが少なくありません (トップページ/緊張ネットワーク総論)。

この考えに基づき、当院は次の3つを基本方針としています。

  1. 適応・不適応を先に判断する ― 当院の施術で扱うべき症状かを見極め、医療機関を優先すべきケースは正直にお伝えします。
  2. 層を読み、手技を使い分ける ― 表層の筋肉・深層筋・ファシア(筋膜)・自律神経、それぞれの層に届く“道具”は違います。ひとつの技法に固執しません。
  3. 根拠と資格を開示する ― どの理論体系とどの国家資格に基づく施術かを明示し、“なぜそこを施術するのか”を言葉でご説明します。

当院の施術設計だからこそ、期待できること

7つの手技ひとつひとつよりも大切なのは、それらを「どう組み合わせ、どこに届かせるか」という設計です。詳しい解説の前に、当院で施術を受けることで期待できることを、先に4つにまとめてご紹介します。

🧩 ひとつの不調を、つながりとして診てもらえる

首こり・頭痛・顎・腰・自律神経を別々の症状としてではなく、首・顎・背骨際を結節点とする『緊張ネットワーク』として捉え、複数の手技を組み合わせて大もとの出力源にアプローチします。

🎯 表層で終わらない、層と方向を読む施術

筋肉内のトリガーポイントに加え、筋層間のファシア(筋膜)の滑走性まで見極め、「どの層へ・どの方向で・どの程度」を調整。指やマッサージでは届きにくい深部のこりへ、精密にアプローチします。

🛡️ "やみくもに施術しない"安全性

施術手技を選ぶ前に、その症状が当院で扱うべきものかを国家資格者が見極めます。医療機関を優先すべきケースは正直にお伝えし、本来治療すべき疾患を施術で覆い隠してしまうことを避けます(適応・不適応の判断)。

📚 出典と資格を開示した、説明できる施術

トラベル&サイモンズ『トリガーポイントマニュアル』などの理論基盤と、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の三国家資格/臨床32年を明示。"なぜそこを施術するのか"を、根拠とともに言葉でご説明します。国家資格に基づく当院の施術と、民間資格の整体・カイロとの制度上の違いは鍼灸・あん摩マッサージ指圧と整体・カイロの違いのページで整理しています。

※ 期待できることの現れ方や経過には個人差があり、特定の効果を保証するものではありません。突然の強い痛み・しびれの急速な広がり・発熱を伴う痛みなどは、まず医療機関での検査を優先してください。

当院の施術は4段階で組み立てます

初回の問診から施術後の確認まで、当院は毎回、次の4段階で施術を組み立てます。手技はこの流れの「3番目」に位置づけられる道具であり、最初に決めるものではありません。

1. 適応・不適応を判断する

まず、その症状が当院の施術で扱うべきものかを判断します。医療機関での検査・治療を優先すべきサインが疑われる場合は施術を行わず、適した診療科をできる限り具体的にご提案します(施術より医療機関を優先する場合対応できる症状・できない症状ご予約前セルフチェック・約30秒)。

2. どの層が関係しているかを見極める

同じ「こり・痛み」でも、出どころはひとつではありません。表層の筋肉、深層筋のトリガーポイント、筋肉と筋肉の境目にあるファシア(筋膜)の滑走性、そして背骨際の自律神経領域 ― 層ごとに届く“道具”が違います。慢性的な不調は、首・顎・背骨際・自律神経を結節点とする『緊張ネットワーク』として複合的に現れることが多いため、どの層・どの結節点が主役かを問診と触診で見極めます。

3. 必要な施術手段を選ぶ

見極めた層と目的に合わせて、下記の施術手段から必要なものを組み合わせます。ご希望(鍼は避けたい/指圧中心がよい等)は問診時に必ずお伺いし、可能な範囲で反映した上で、評価結果に基づく組み合わせをご提案し、合意の上で施術に入ります。

4. 施術後の反応を再確認する

施術後の変化(可動域・張り感・揉み返しの有無)を確認し、次回の刺激量や手技の配分を調整します。完全予約制で毎回同じ施術者が担当するため、経過を踏まえた微調整を積み重ねられます(刺激量と施術方法について)。

状態に合わせて使い分ける施術手段

従来「7つの手段」としてご紹介してきた手技を、働きかける層と目的から3つの系統に整理しています。単独で使うのではなく、上の4段階の見極めに沿って組み合わせることが前提です(各施術の詳細な時間・組み合わせは施術メニュー・料金をご覧ください)。

手で行う施術 ― 皮膚・筋肉・ファシアへ

表層の循環から深層筋のトリガーポイント、筋層間のファシア(筋膜)まで、手で層を読み分けながらアプローチする系統です。

ディープティシュー・マッサージ(深部組織マッサージ) ― トリガーポイントからファシア(筋膜)へ

ネットワーク上の位置づけ
深層筋(後頭下筋群・斜角筋・大腰筋・梨状筋など)のトリガーポイントと、筋層と筋層の境目にあるファシア(筋膜)の滑走性を、解剖学的に正確に触知して扱うための主軸手技。緊張型頭痛・首こり・慢性腰痛・坐骨神経痛など、『トリガーポイント』が出力源となる症状群への中核アプローチです。

当院で多用するこの施術は、筋肉の内層や結合組織に対してゆっくりとした深い圧を用いて作用し、筋緊張や癒着を解放します。これにより血流やリンパの流れが促進され、慢性のコリ・痛みのもとになりやすい筋・筋膜層への到達を可能にします。米国では理学療法士等によって行われることが多く、筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)の施術に最適な技法とされています。

なお、ここでご説明するのは快晴鍼灸院の施術方針であり、特定の効果を断定・保証するものではありません。変化の現れ方や経過には個人差があります。

これまで重視してきたこと ― 筋肉内のコリ(トリガーポイント)

当院が長く土台にしてきたのは、トラベル&サイモンズ『トリガーポイントマニュアル』を基盤とした筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)の考え方です(書籍の詳細は施術理論の礎をご覧ください)。鍼灸師ならではの深層筋の探索技術と筋縁の観察技術を活かし、筋肉内の硬結を丁寧に探し当て、徒手の圧迫や鍼刺激でその緊張をゆるめていく ―― 首こり・肩こりからくる頭痛、デスクワークによる腰痛、坐骨神経痛、顎まわりの食いしばりなど、慢性的なこりの背景にトリガーポイントがあるケースは多く、この視点で多くの方の施術にあたってきました(トリガーポイント探索の図解ははり・きゅうの項に掲載しています)。

トリガーポイント探索の解説 ― 皮下硬結の触診技術
皮下硬結(トリガーポイント)の触診技術の解説画像

画像は Travell & Simons' Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual(英語版/著者: David G. Simons, Janet G. Travell, Lois S. Simons/出版社: Lippincott Williams & Wilkins)から学術引用しています。

現在の視点 ― ファシア(筋層間の境目)にも目を向ける
筋肉と筋肉の境目にあるファシア(筋膜)層に対して、指で適切な方向と圧で応力を加えている解剖学的イメージ図。筋層の隙間に沿って矢印が滑り、血管や神経の走行も描かれている|開成町 快晴鍼灸院
筋肉そのものではなく、筋肉と筋肉の境目(ファシア層)へ、方向と深さを見極めて応力を加えるイメージ。※AI作成の簡易図/Concept & Direction: Takahito Kubota × AI © 2026

近年、整形外科やペインクリニックの領域では、生理食塩水などを筋膜層に注入して癒着をはがす「ハイドロリリース」という治療が広がりつつあります。これは、痛みやこりの原因が必ずしも筋肉そのものではなく、筋肉と筋肉の間にある薄い膜(ファシア/筋膜)の滑走性の低下に関わるのではないか、という臨床現場の気づきから生まれたアプローチです。

当院は鍼灸院なので、薬剤の注入等は行うことは出来ませんが、この概念を踏まえ、徒手と鍼によるアプローチの精度を見直してきました。エコー(超音波)画像下で、どの深さ・どの方向に触れたときに筋膜層に独特の手応え(響き)が伝わるのかを、施術者自身の身体で繰り返し検証し、施術設計に反映してきた経緯もあります。単に硬い部分を強く押すのではなく、筋層と筋層の重なりを「どの層に・どの方向へ・どの程度の応力を加えるか」を読みながら進めていく ―― これが現在の当院のスタンスです。

施術の効果

専門性の高い高度な技術を要するこの施術は、慢性的なコリや痛みを緩和し、運動後の疲労回復を促進します。柔軟性や可動域、姿勢、冷え・むくみ、自律神経バランス、ストレスといった面での変化につながることもあります(変化には個人差があります)。

施術中に起きていると考えていること ― ファシアリリースの4段階
ファシアリリースの4段階を示した解説図。①応力(指で適切に押す)→②滑走開始(筋膜の動きが戻り始める)→③筋層スライド(上下の筋層が互いに滑る)→④血行改善(血流が回復していく)の流れ|開成町 快晴鍼灸院
ファシアへの適切な応力 → 筋層同士の滑走改善 → 結果としての血行環境の整い、という、当院が想定している施術中の手応えを4段階で表した模式図。Concept & Direction: Takahito Kubota × AI © 2026

ファシアの滑走性が低下すると、筋肉そのものは大きく傷んでいなくても、慢性的なこり感・重だるさ・動かしにくさとして自覚されることがある、と考えています。医療機関の検査で大きな異常が出にくいタイプの不調と関わりやすいテーマです。当院が想定している施術中のプロセスは、おおよそ次の流れです。

  1. ①応力 ― ファシア層の方向に対し、指・手のひら、あるいは鍼で、適切な向きと量の刺激を加えます。
  2. ②滑走開始 ― 滞っていた筋層間の動きが、わずかにずれ始めます。
  3. ③筋層スライド ― 上下の筋肉同士の滑りが戻り、可動域や張り感に変化が出てくる可能性があります。
  4. ④血行改善 ― 筋層が動きやすくなることで、周辺の血流環境が整いやすい土壌が生まれる、と考えています。

もちろん、すべての方でこの4段階が同じように進むわけではなく、感じ方には個人差があります。施術中はその場の反応を確認しながら、刺激量・方向・回数を細かく調整します。

手技の種類

深部組織マッサージには、目的に応じて以下のような細分化された技法を併用します:

  1. トリガーポイントマッサージ ― 筋肉の凝り固まった一点に集中的にアプローチ。
  2. 筋膜リリース(ファシアリリース) ― 上記②③で示した、筋膜(ファシア)の滑走性を改善し、可動域・柔軟性を回復させる手技。
  3. スポーツマッサージ ― アスリートの疲労回復・コンディション維持に。

特にトリガーポイントマッサージ筋膜リリースには、専門書(後述)に基づいた解剖学的根拠をもって深く取り組んでいます。

指圧 ― 押圧操作の三原則

ネットワーク上の位置づけ
東洋医学の経穴(ツボ)に、解剖学的に安全性が確立された経験則を介してアプローチする手技。深部組織マッサージが『筋』を扱うのに対し、指圧は『点(経穴)』を扱います。痛みを伴わず、東洋人の身体に馴染みやすい刺激として、ほぼ全ての症状群で併用されます。
指圧イメージ ― 押圧操作の三原則
当院で行う指圧(押圧操作の三原則)

指圧は日本発祥の手技で、東洋人にとって好まれる施術方法です。『圧』という言葉は使いますが、基本的に痛みを伴いません。東洋人が好むツボに効果的に刺激を与え、痛みと気持ち良さが同時に感じられるよう心がけています。

押圧操作の三原則
  1. 垂直圧 ― 経穴(ツボ)に対して垂直に圧をかける。
  2. 持続 ― 圧を一定に保ち、持続的に刺激を与える。
  3. 集中 ― 全神経と意識をツボの一点に集中させる。
大原則
  • 漸増圧 ― 圧を徐々にかけていく。
  • 漸減圧 ― 圧を徐々に抜いていく。

これらの基本を厳守し、適切な刺激を用いて施術を行うことが、有資格者の指圧です。無資格者の『押すだけ』の刺激とは、教育的にも法的にも別物です。

従来のマッサージ/リンパマッサージ/医療マッサージ

ネットワーク上の位置づけ
表層循環(血流・リンパ環流)を整え、深層へのアプローチを受け入れやすい状態を作る基盤手技。四肢の冷え・むくみ・術後のリンパ浮腫・廃用性症候群の予防など、『循環の停滞』がベースにある症状に対する主軸となります。
マッサージとその種類

マッサージはフランス発祥で、素肌に直接施術する手技です。滑剤やオイル・ローションを使用しますが、滑剤が使えない場合は薄い生地を当てて指を滑らせる方法を採用しています。

マッサージの効果 ― 血流改善とリンパ液の循環促進

リンパマッサージとマッサージは血流改善・リンパ液の循環促進に最適です。主な患部は指圧や指圧整体で施術しますが、足の冷え・むくみ、腕のだるさなどの症状改善には特に活躍します。

当院のマッサージ ― リンパマッサージへの対応

当院はリンパマッサージに対応しています。施術スタンスから指圧が中心になりましたが、四肢のむくみ・だるさにはリンパマッサージが最も効果的だと考えており、アスリートのスポーツマッサージ・術後遺症のリンパドレナージュにも多用します。

医療マッサージ ― 保険適用とその効果

保険適用となる麻痺疾患(脳血管障害後遺症等)に対しては、循環改善・疼痛緩和に加えて、硬くなった筋腱をほぐして関節可動域改善を目的とする医療マッサージを行います。

マッサージの資格と保険適用
あん摩マッサージは国家資格者にのみ許される行為であり、医師の同意があれば健康保険が適用され、医療費控除も可能です。

鍼による施術(はり・きゅう) ― トリガーポイント探索と盤龍刺・華佗夾脊穴

ネットワーク上の位置づけ
指の届かない深層筋・神経走行路・自律神経領域に、0.16〜0.20mmの極細鍼で精密にアプローチする中核技法。トリガーポイント鍼施術は筋・筋膜層への到達手段として、盤龍刺・華佗夾脊穴刺鍼は背骨際の自律神経領域への到達手段として使い分けます。

トリガーポイント鍼施術 ― 探索から刺鍼まで

筋肉内にできた硬結(トリガーポイント)に局所的に圧・刺鍼を加える、従来のトリガーポイントアプローチの解剖学的イメージ図。筋繊維がコリの芯に向かって収束している様子|開成町 快晴鍼灸院
筋肉内のトリガーポイント(硬結)を探索し、刺鍼の標的とする ― 当院が長年取り組んできた従来アプローチのイメージ。※AI作成の簡易図/Concept & Direction: Takahito Kubota × AI © 2026

当院の鍼灸施術は、古典的なツボと現代医学的アプローチの融合を提供します。長い歴史の中で経験則から生み出され、解剖学的に安全性が確立されている、各症状に古くから用いられてきた経穴(ツボ)を積極的に使用します。

また、当院の鍼灸施術は筋・筋膜痛の施術に特化したアプローチも提供します。これは32年の実務経験を持つ鍼灸師による、トリガーポイント探索を中心としたものです。筋肉内に形成された過敏な硬結点(トリガーポイント)に、適切な刺激を加えることで、関連痛として離れた部位に投影された痛みを和らげます。鍼においても、筋肉内の硬結だけでなくファシア(筋膜)の層と方向を読みながら刺鍼する点は徒手施術と共通の考え方です(詳しくはディープティシュー ― トリガーポイントからファシアへ)。

衛生面について
全ての鍼はディスポーザブル(使い捨て)を使用しています。感染リスクを構造的に排除しています。

盤龍刺・華佗夾脊穴刺鍼 ― 自律神経領域へのアプローチ

特に、自律神経失調症に対する『盤龍刺(ばんりゅうし)』『華佗夾脊穴(かだきょうせきけつ)刺鍼』などの手法を用いることで、現代医学的なアプローチと古典的ツボの知識を融合させ、より精密な施術を提供します。背骨際は、脊柱起立筋群と交感神経幹が物理的に重なる帯であり、自律神経領域への『触れられる出口』として位置づけています(背骨際と盤龍刺の解説へ)。

鍼灸の保険適用となる疾患(主治医の同意により7項目)

当院は外来自費施術が主体の施術所ですが、保険医療機関での実務経験を活かし、肩こり施術からリハビリまで幅広く対応可能です。主治医の同意があれば、鍼灸の保険施術が可能です。

  • 神経痛
  • リウマチ
  • 腰痛症
  • 五十肩
  • 頚腕症候群
  • 頚椎捻挫後遺症
  • その他医師が鍼施術を勧めた症状

当院が特に自信をもって対応する症状

医院での加療に限界を感じた方、医師に現在の施術では改善の見込みがないと示された方、鍼施術を選択肢に加えたい方は、ぜひ当院までご相談ください。当院の鍼灸施術は、古典的なツボと現代の手法の融合、筋・筋膜痛に特化したアプローチ、そして安全な鍼灸針の使用を通じて、お客様の健康と安心を第一に考えています。

動きを取り戻す施術 ― 可動域と滑走性へ

「固まる・動かなくなる」という出力に対して、伸張・体位調整・関節可動域訓練で、動きそのものを取り戻す系統です。

ストレッチ・モビライゼーション ― カイロプラクティック要素

ネットワーク上の位置づけ
筋膜性腰痛など、『筋の伸張性低下』が出力源になっている症状に対し、他動的・自動介助的なストレッチで筋膜の滑走性と可動域を回復させる補助手技。ガイドラインに沿った標準治療を基本としつつ、長年の臨床で有効性を確認した技法を限定的に併用します。

筋膜性腰痛の施術には積極的にストレッチ施術を行い、その時々の症状に対し臨機応変な施術を提供します。
教科書通り、ガイドラインに沿った標準治療をすることが国家資格取得者に求められる基本姿勢ですが、施術経験により独自の手技や、整体・カイロプラクティックなどの良い部分を取り入れて使う施術者も多くいます。当院もカイロプラクティック由来の技術の一部を併用します。なお、整体・カイロプラクティックには国家資格制度はなく、当院では国家資格(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう)に基づく施術を主体とし、これらは補助的に用いる位置づけです。

ただし、安全性の観点から、高速スラスト矯正(いわゆる『バキバキ』鳴らす矯正)は原則として行いません。ストレッチ・モビライゼーション・関節遊びの範囲内で、可動域と筋膜の滑走性を回復させる手技を用います。

指圧整体 ― 虚血圧迫法・筋膜リリース

ネットワーク上の位置づけ
深部血行不良が出力源となる慢性腰痛・肩こりに対し、血流を一時的に遮断 → 解放する反応を利用して局所血流を改善する応用技法。腰深部の大腰筋など、外から直接届きにくい筋へは、この虚血圧迫と整体的な体位調整を組み合わせます。
虚血圧迫法とは
  1. 局所に狙いを定める
  2. ゆっくりと押圧
  3. そのまま血流を遮断するように持続圧迫
  4. 一定時間の後ゆっくりと除圧
  5. リバウンド直前の血流不足状態を経て
  6. リバウンドで施術前より局所血流が増加し、老廃物が洗い流される

このような体の生理反応を期待する手技です。

マッサージと指圧を主軸とする当院では、トリガーポイント施術のテクニックである虚血圧迫法を積極的に用いています。血行不良の患部の血流を一時的に遮断、その後解放することで、体の持つリバウンド現象を利用した局所血行改善を目的とします。
この方法には指圧的な手技が最も適し、トリガーポイントの鎮静化だけでなく、マッサージによる血行改善とは異なる反応を引き出します。特に筋虚血が原因の慢性腰痛・肩こりに対して効果的です。

特に腰痛の元凶となりやすい腰深部の大腰筋を緩めるには、複数の治療法を組み合わせて工夫する必要があり、施術が整体的な要素を強く帯びます。
なお、純粋な指圧は一定の決められた範囲内で行う手技であり、虚血圧迫法は指圧の基本原則と若干異なる部分があります。また『筋膜リリース』などの変則的手技も併用するため、当院ではこれらをまとめて指圧整体と位置付けています。

関節可動域訓練・機能訓練 ― 凍結肩/脳血管障害後遺症

ネットワーク上の位置づけ
『固まる』『動かなくなる』という出力(拘縮・廃用)に対して、関節可動域そのものを取り戻すための手技。緊張ネットワークの下流の固定化を防ぐためのアプローチです。

当院の機能訓練・リハビリは、次の項目に対して行います:

四十肩・五十肩の凍結肩(拘縮)対応
  • 凍結肩(拘縮)防止もしくは改善目的の関節可動域訓練
  • 医師の同意があれば鍼施術の保険適用が可能
  • 肩以外の拘縮改善も対応します
脳血管障害後遺症・麻痺疾患
  • 脳血管障害後遺症、その他麻痺疾患の関節可動域訓練
  • 廃用性症候群防止目的のマッサージ
  • 医師の同意があれば、独歩通院が困難な方に限り往療マッサージの保険適用が可能

上記いずれの症状も、保険医療機関での実務・施術経験を有しています。

症状によって組み合わせは変わります

実際の組み合わせは初回の評価で決まりますが、代表的な症状での「組み立ての例」をご紹介します。詳しい病態解説は各症状ページをご覧ください(変化の現れ方や経過には個人差があります)。

首こり・緊張型頭痛

後頭下筋群・僧帽筋上部などの深層トリガーポイントへのディープティシュー・マッサージ鍼施術を中心に、指圧で全体の緊張を整える組み立てが中心になります。→ 緊張型頭痛・首こりのページストレートネック・頭部前方姿勢

顎関節症・食いしばり・自律神経症状

咀嚼筋(咬筋・側頭筋)へのアプローチに加え、背骨際の自律神経領域へ盤龍刺・華佗夾脊穴刺鍼を併用することが多い症状群です。→ 顎関節症・食いしばり自律神経の乱れ・不調

慢性腰痛・坐骨神経痛様症状

腰深部の大腰筋には指圧整体(虚血圧迫法)、殿部のトリガーポイントには、筋膜性腰痛にはストレッチ・モビライゼーションを組み合わせます。→ 腰痛・坐骨神経痛のページ

四十肩・五十肩

炎症期・拘縮期など時期の見極めを前提に、関節可動域訓練と鍼施術(主治医の同意があれば保険適用可)を軸に組み立てます。→ 五十肩(肩関節周囲炎)のページ

上記以外の症状は症状から探す(症状別インデックス)をご覧ください。

施術より医療機関を優先する場合 ― 適応・不適応の判断

施術手技の選択以前に、当院が最も重視するのは『その症状が当院の施術で扱うべきものか否か』の判断です。

医療機関の受診を優先していただくケース

  • 強い炎症が疑われる急性症状
  • 突然の強い痛み・急速に広がるしびれ
  • 外傷後の痛みや、症状が日々悪化していくもの
  • 原因不明の発熱を伴う痛み
  • 骨折・脱臼が疑われるもの
  • 神経学的所見の悪化が疑われるもの
  • 明らかな器質的疾患が背景にあると考えられるもの

これらは、医療機関での検査・処置を第一選択肢としていただきます。

初回の問診・評価で当院の専門外と判断した場合、施術は行わず、症状に適した医療機関(整形外科・脳神経外科・神経内科・皮膚科・歯科・内科など)や治療法をできる限り具体的にご提案します。
これは国家資格保持者としての倫理観に基づく対応であり、お客様の早期回復を最優先に考えた結果です。

詳細は適応症状・不適応症状のページをご確認ください。

刺激量と施術方法について

深いコリに届かせることと、強く揉むことは別です

当院は「強揉み」で力任せにほぐす施術は行いません。痛気持ちいいを超える強い刺激は、かえって身体の防御反応を招くためです。トリガーポイント(こりの芯)を狙い、必要なところへ必要な量の刺激を届けます。鍼は痛みを伴わずに深層筋へ到達でき、指圧も刺激量を一人ひとりに合わせて調整します(「ただ揉むだけでは戻る」とお悩みの方へ)。

揉み返し(リバウンド)について

ディープティシューなど深層に圧を加える手技では、施術後にやや筋肉痛様の反応(いわゆる揉み返し)が出る場合があります。多くは1〜2日で軽快しますが、慢性化していた組織ほど反応が出やすい傾向があります。施術中・施術後に感じた感覚は遠慮なくお伝えください。フィードバックを受けて刺激の強度を調整します。

手技のご希望について

「鍼は避けたい」「指圧中心がよい」等のご希望は問診時に必ずお伺いし、鍼に強い不安がある場合は指圧・マッサージのみの施術も選択できます。その上で、評価結果に基づいて当院が推奨する組み合わせをご提案し、合意の上で施術設計します。当院は“気持ちよさ”だけを目的とする慰安目的のマッサージではなく、目的をもって施術を組み立てる病態理解型の施術院です。

施術者の資格と理論的基盤 ― 経歴と参考書籍

当院の施術は、明確な理論的基盤の上に立っています。診断・効果効能を保証するものではありませんが、『どの体系に基づいて施術を組み立てているか』を開示することは、施術院としての説明責任だと考えています。

施術者の資格・経歴

はり師
厚生労働大臣免許(取得)
きゅう師
厚生労働大臣免許(取得)
あん摩マッサージ指圧師
厚生労働大臣免許(取得)
臨床経験
32年(時点)
開業
25年(開業/足柄上郡開成町)
実務経験
医療機関リハビリ室/整骨院/在宅訪問マッサージ/開業 ― 多角的

詳しい経歴・施術哲学・所属団体はごあいさつ/施術者紹介のページをご覧ください。

その1 ― 当院の施術理論の礎『トリガーポイントマニュアル(筋膜痛と機能障害)』

トリガーポイントマニュアル 日本語版(川原群大 監訳/エンタプライズ社)
当院が日々参照する『トリガーポイントマニュアル』日本語版

世界標準の臨床書
当院の施術は、筋膜性疼痛症候群(MPS)施術の世界的バイブルである『トリガーポイントマニュアル(筋膜痛と機能障害)』を理論的基盤としています。

本書は、ジョン・F・ケネディ大統領の主治医を務めたジャネット・G・トラベル医師と、デビッド・G・サイモンズ医師による共著で、筋膜痛施術の古典にして、現在も世界中の臨床家に参照され続ける不朽の名著です。

本書が示す世界

トリガーポイント ―― 筋肉内に形成される過敏な硬結点が、なぜ離れた部位に痛みを引き起こすのか。本書は、その発生メカニズムから触診法・治療法に至るまでを、解剖学的イラストと臨床データをもって詳細に解説しています。

この知見は、鍼灸・指圧・マッサージはもとより、カイロプラクティック・理学療法・整形外科領域にまで広く応用され、『なぜそこを施術すると、ここが楽になるのか』という臨床上の疑問に明確な解答を与えます。

日常臨床への応用

頭痛・首痛・肩こり・腰痛 ―― これらの多くは『筋筋膜性疼痛症候群(MPS)』として理解できます。不適切な姿勢、長時間のデスクワーク、ストレス、運動不足などにより形成されたトリガーポイントが、慢性的な痛みとこりを生み出しているのです。

当院では、このマニュアルに基づいた評価と施術を32年間実践し続けており、自身の臨床経験を加えてオリジナルのトリガーポイント放散痛イラストも作成、お客様への説明にも活用しています。

当院が保有する版について

日々参照している日本語版は、川原群大氏による監訳版(エンタプライズ株式会社発行)です:

  • 頭頚部編(発行/ISBN 4-900365-29-7)
  • 体幹・上肢編(発行/ISBN 4-900365-29-7)
  • 下肢編1(発行/ISBN 4-900365-30-0)
  • 下肢編2(発行/ISBN 4-900365-30-0)

原著(英語版)も併用しています:

  • Travell & Simons' Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual
    出版社:Lippincott Williams & Wilkins

※版により記載内容に若干の差異がありますが、理論は一貫しています。

なぜこの本なのか

開業以来25年、数多くの臨床書籍に触れてきましたが、『痛みの原因を解剖学的に理解』という点において、本書を超えるものに未だ出会っていません。

当院の施術は、この名著が示す道を、誠実に歩み続けてきた結果です。
どうぞ安心してお身体をお預けください。

その2 ― 適応・不適応の判断基盤『鍼灸不適応疾患の鑑別と対策』

著者:代田 文彦 ほか 執筆・監修/出版社:医道の日本社/ISBN 4-752910-67-5

鍼灸不適応疾患の鑑別と対策 表紙(代田文彦 ほか 執筆・監修/医道の日本社)
『鍼灸不適応疾患の鑑別と対策』表紙

私たちの院には、様々な背景の方が来院されます。
痛みに対してそれなりの施術を行うことで、本来治療すべき疾患の症状をカモフラージュしてしまうリスクは常に存在します。

この本に出会ったのは、20代中ばに修行していた整骨院の本棚でした。

『鍼灸不適応疾患の鑑別と対策』― 偽坐骨神経痛の解説ページ
本書に掲載されている『偽 坐骨神経痛』の解説ページ

本書に掲載されている『偽 坐骨神経痛』の症例も、当院でも数回目の当たりにしました。実務経験を積むに従い、適応症状・不適応症状の鑑別の大切さが身に沁み、この本は現在でも度々ページをめくります。

やさしい用語集 ― このページの言葉を、ひとことで

このページには施術の専門用語が出てきます。主なものを、やさしく言い換えてまとめました。

トリガーポイント
筋肉の中にできる「しこり」。離れた場所に痛みを起こすことがあり、鍼や指圧でねらう中心になります。
ファシア(筋膜)
筋肉や内臓を包む薄い膜。硬くなって滑りが悪くなると不調のもとになり、これをゆるめるのが筋膜リリースです。
ディープティシュー・マッサージ
表面ではなく、体の奥の筋肉まで届かせるマッサージのこと。
盤龍刺(ばんりゅうし)・華佗夾脊穴(かだきょうせきけつ)
背骨の両脇のツボへ、細い鍼を左右に打ち分ける当院の技と、その目印になるツボの並び。
押圧(おうあつ)の三原則
指圧で大切にする「垂直に・ゆっくり・心をこめて押す」という基本の考え方。
虚血圧迫(きょけつあっぱく)
しこりを一時的にじんわり押さえ、ゆるめてから血のめぐりを促す手技。

当院の施術について ― よくあるご質問

Q. 小田原周辺で、国家資格を持った人が毎回担当してくれる治療院は?

小田原市の隣・足柄上郡開成町の快晴鍼灸院は、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ施術者が、毎回必ず一対一で担当します。完全予約制で担当者が毎回変わることはありません。初回の評価から経過の確認まで同じ施術者が一貫してみるため、こりの変化や体質を踏まえた施術ができます。臨床32年・開業25年。無資格者によるリラクゼーションとは異なり、国家資格に基づいた評価と施術を行います。開成駅西口から徒歩4分・駐車場完備です。

Q. 強揉みが苦手だけど、深いコリを見てくれるマッサージ院は?

深いコリに届かせることと、強く揉むことは同じではありません。当院は「強揉み」で力任せにほぐすのではなく、トリガーポイント(こりの芯)を狙って必要なところへ的確に刺激を届けます。鍼は痛みを伴わずに深層筋へ到達でき、指圧も刺激量を一人ひとりに合わせて調整するため、強い力が苦手な方でも深部のこりにアプローチできます。痛気持ちいいを超える強い刺激はかえって防御反応を招くため避けています。揉み返しが出やすい方にも刺激量を慎重に調整します。「ただ揉むだけでは戻る」とお悩みの方へもご覧ください。

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セルフケアのお持ち帰り

上でご紹介した施術手段は、いずれも施術者が院内で行う手技です。当院ではこれに加えて、ご自宅で続けられるセルフケアを一緒にお持ち帰りいただくことを大切にしています。施術は緊張ネットワークの「リセット」、セルフケアはその「再構築を緩める」役割 ― 二本立てで考える理由と、全症状に共通する5つの基本を、セルフケアのすすめのページにまとめました。

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